年金改革法案には遺族年金の給付水準を大幅カットする改悪が含まれている(石破茂・首相/時事通信フォト)
夫に先立たれた時に60歳未満の妻は遺族年金を5年間しかもらえなくなる
公的年金制度は、老後の生活保障の機能を有するだけでなく、「家計の担い手」に万が一のことがあった場合に家族の生活を保障する「生命保険」としての役割も担っている。それが残された家族に支給される「遺族年金」だ。国民が支払う年金保険料には、いわば“生命保険特約”分の保険料も含まれていることになる。
「現行制度では、夫に先立たれた時に30歳以上だった妻(18歳未満の子供がいない場合)には、夫の厚生年金(報酬比例部分)の『4分の3』の額が遺族厚生年金として生涯にわたって支給されます。
今回の法案には、その受給期間を『原則5年』へと大幅に短縮する内容が含まれているのです。現在は夫に先立たれた時に30歳未満だった妻は5年間の有期支給ですが、この5年支給の対象年齢が2028年4月からは40歳未満へと拡大される。そして、50歳未満、60歳未満へと段階的に引き上げられます。最終的に、夫に先立たれた時に60歳未満の妻は遺族年金を5年間しかもらえなくなるということです」
政府は5年に一度行なう年金の「財政検証」(2024年)で、現行制度のままでは基礎年金(1階部分)の支給水準はどんどん低下し、2057年には現在より3割低くなるという見通しをまとめた。あれだけ「100年安心」と宣伝しながら、今になって年金危機は深刻化するというのだ。基礎年金の低下はとくに非正規雇用が多いとされる氷河期世代を直撃するという。
基礎年金底上げは目眩ましか?