頭がいいとか悪いとかは多分に「思い込み」である

それでは、なぜ勉強しても成果が上がらないということが起こるのでしょうか。

一番の原因は、勉強の「やり方」を間違えていることにあります。

どんな天才も「やり方」や「材料」が必要

多くの教育者が、「勉強するときには自力で考えることが大切」と主張します。

ところが私は「数学のわからない問題は、いつまでも考え続けるのではなく、答えを見て解法を覚えたほうがいい」と多くの受験生に指導してきました。

できないことの9割は「やり方」で攻略できる

最近になって、子ども向けのスポーツ教室を展開している会社の社長にその話をしました。するとその社長は、「うちの会社なら、逆上がりができない子に、できるように教えられなかった指導者はクビですね」と言っていました。

つまり、どんな子でも逆上がりができる「やり方」はある。少なくとも彼らにはそういう信念があって、できるかできないかは、子どもの運動能力ではなく、そのやり方を自力で見出すか、あるいは人に教わる機会があるかどうかの問題だというのです。

子どもの成長と人それぞれの能力特性

実は、幼い子どものうちは誰もが記憶優位の特性を持っています。記憶力が抜群で、周りの大人が話している言葉を聞き、それを文法などの理屈抜きに丸ごと覚えることで、言葉を習得していきます。

語学習得で一番理想的なのは、そのように文章を丸ごと覚えることなのですが、大人になってからそれをするのはかなり難しく、いくら聞き流す語学教材などを使っても簡単には話せるようになりません。しかし子どものうちは、それができてしまいます。

能力特性に合わせた勉強

「9歳の壁」を越える前の子どもは、前述のとおり単純記憶力がきわめて高い状態にあります。たとえばこの時期に、漢字や歴史の年号などを大量に覚えさせれば、相当な量を覚えることができます。

ビジネス雑誌を読むだけで「上位3%」になれる

つまり、ビジネス雑誌を読んでいるのは、ビジネスパーソンのおよそ30人に1人にすぎません。言い換えれば、ビジネス雑誌を読むだけで、「30人に1人」になれるということです。

つまりビジネスパーソンの「上位3%」に入ろうと思えば、何の特別な努力もなしに入れてしまうのです。

【図表1】「9歳の壁」と能力特性

勉強法を変えると成功し、勉強が好きになる

 
私は1987年に『受験は要領』(PHP研究所)という本を上梓したのを皮切りに、和田式の受験勉強法の本を多く世に出してきました。それが売れるにつれ、「和田式受験勉強法は『ただ受験に合格すればいい』というやり方だから、大学に入ってから勉強しなくなる人間を量産しているようなものだ」と批判を受けるようになりました。