「悪い予測のほとんどはハズれる」という事実

29人の参加者にそれぞれ10日間にわたり、心に浮かんだ心配ごとを記録してもらい、それらに根拠があるかどうかを調べたそうです。結果、心配ごとのうち最も多かったのは「まったく根拠のない心配ごと」でした。

さらに「なんらかの根拠がある心配ごと」についても、30日間にわたって追跡調査をしたところ、その91.4%は実際には起こりませんでした。

でも、「残りの8.6%」がもし起きてしまったら?

私たちの心は、不安があることに気づくと、それをじっと見続けてしまうのです。実際、いま、あなたは「残りの8.6%」が気になっているはず。

「すべての心配ごとのうち、91.4%は無視してよい」と言われ、気持ちがラクになったはずなのに、今度は「残りの8.6%」が自分に当てはまるのではないか、と心配なのですよね。よくわかります。私もそうでした。

心のバランスを取り戻す魔法の言葉

心のバランスを取り戻すテクニックなのですが、やり方は簡単。「いま」に集中して、不安な気持ちを次のように言い換えるだけです。

「未来も、ほぼ100%大丈夫」

苦しくなったら、「メリット」があるほうを考える

あなたは、次のキャッチコピーのうち、どちらを選びたくなりますか?

①購入者の90%が、効果を実感!
②購入者の10%には、効果なし。

きっと①のほうが選びたくなったのではないでしょうか。内容はまったく同じなのですが、このように、「事態をよい方向に促す商品」の場合、「メリット」を説明した①のほうが、心により響くのです。

「考え事をしていたら、家に着いていた」そんな人は要注意

「帰宅中、考え事をしていたら、いつのまにか家に着いていて、どうやって帰ったのかよく覚えていない」
こうした心の動きが癖として身についてしまうと、未来の心配に人生の大半を奪われ、味わうべき“いま”を失ってしまいます。
 

いまが“台無し”になったとき、どう考える?

いまにフォーカスできるようになった場合、いまが“台無し”になったときは、失望をより大きく感じることがあります。

①「思っていたのとは違う状態」を、残念に思うか
②「予想しなかった出来事」を、ラッキーと思うか

「ああではない」から、「いまこうである」と転換しよう

例えば、マラソン大会に向けて毎日ランニングを続けているとしましょう。努力が思うように実らないときでも、「なかなかタイムが伸びない」とがっかりする(=“いま”の状態を残念に思う)のではなく、いま、大会に向けて走っていること自体を楽しむべきです。健康な証拠ですし、何よりも体力ももっとつくのですからラッキーです。

 

言い換えると「ああではない」と嘆くのではなく、「いまこうである」を楽しむことが大事なのです。

「いまやりたくない仕事」はどうするか?

可能なら、それを避ける方法を考えましょう。担当を誰かと代われないか掛け合うのも一つの方法でしょう。あなたにとっては、つらい仕事でも、同僚にとっては「いまやっている仕事よりはマシ」かもしれません。

仕事のミスは、未来の大きな失敗を防いだと考える

 
また、「嫌な仕事」を次のように脳内でポジティブ変換することも、精神衛生上、大きなメリットがあります。
 
「仕事でミスをした」
(ポジティブに言い換え→)「これは何か他の大きな失敗と引き換えに先取りしたのだな。この程度で済んでよかった!」

「明日までにどうせ選ばれないアイデアを100個考える」
(ポジティブに言い換え→)「次の1個で人生変わるかも!」

「たった一度の会議のためだけに、大量のコピーを用意する」
(ポジティブに言い換え→)「これは疲れた脳を休ませるチャンス到来!」

「会議室の8人の重役に、コップに入ったお茶を一滴もこぼさず出す、という至難の業」
(ポジティブに言い換え→)「ミッション・インポッシブル!」
 

「時間の長さ」は人の主観によって変えられる

 
秘訣ひけつはすべて「いまを楽しもう」と試みること。無理は決してしないこと。そして「私は、それが嫌なのだけど」と自分に言う代わりに、あえてその中に楽しみを見出すようにすると、楽しく感じられるものです。