2022年にアメリカのテキサス州・オースティンでは、135の低所得世帯に対し、毎月1000ドル(約14万6000円)のベーシックインカムを支給する試みを1年間にわたり行いました。同時に、支給されたお金をどのように使用するか、生活がどのように変化するかについての調査も行われました。

 

そこでオースティンは135の低所得世帯に対し、1年間かけて毎月1000ドルを支給するベーシックインカムが試験的に導入されました。支給された金額の一部は慈善団体からの寄付で賄われました。なお、対象となった世帯は、シングルマザー世帯を中心にさまざまな人種の家族が選ばれました。なお、ベーシックインカムの支給対象となった世帯の平均人数は4人でした。

 

オースティンはウェブサイトで「人々が自分自身とその家族のために正しく決断すれば、より良い結果につながるはずです」と述べています。また「適切にベーシックインカムを用いることで、より良い雇用や貯蓄額の増加、食料の安全保障、住宅の安全保障につながります。その結果、さまざまな世代やコミュニティに良い影響を与えることになるでしょう」と語りました。

 

一方で、The Urban Instituteによると、1年というベーシックインカムの期限が近づくにつれて、かなりの数の参加者が、「この実験が終わった後も生活をうまくやりくりできるかどうか」について心配していることも明らかになっています。海外メディアのViceは「実験が終わったときに何が起こるかという不確実性に伴って、悪影響が生じる場合もあります」と指摘しました。