地獄から天国をつくりだすためにすべきこと
「感謝」は幸せになるためのメタ戦略
また、もし、そのような習慣が身につくようにトレーニングをしたとして、ほんとうにもっと幸せになれるのだろうか?
私は不確実な推測ではなく、科学によって証明された方法だけを選びました。
幸福度とは遺伝が50%、外的環境が10%でつくられており、残りの40%は自分の行動でつくられています。
ここにあげた行動をあなたの人生に当てはめ、自分で変えることができる40%として役立ててください。なぜなら、「40%」という数字は、自分自身を幸せにすることができる可能性を十分に示しているからです。
ここでは「感謝の気持ちを表わす」ことについて述べていきます。「感謝」は幸せになるためのある種の「メタ戦略」のようなものです。
「感謝」の定義
「感謝」することで得られるさまざまな恩恵
「恵まれていると感じること」5つを書きだす
人生により満足感をもてるようになった
感謝日記をつける
まず、参加者は、「感謝日記」をつけるように指示されます。「ありがたい」と思ったことを5つ書きだし、それについてじっくりと考えるというものです。具体的には、次のような指示がだされました。
「私たちの人生には、大小の差はあっても、感謝すべきものがたくさんあります。過去1週間の出来事を振り返って、あなたが感謝したり、ありがたいと思ったりしたものを5つまで、以下の線のところに書いてください」そして「今週、私が感謝しているのは……」という言葉に続いて、何も書かれていない線が5本並んでいます。
週1回のグループにしか効果は得られなかった理由
さらに、自らが受けた恵みを定期的に数えた参加者は、より幸福になったという重要な結果がでたのです。対照グループ(つまり、どんな行動もとらなかった人々)に比べて、感謝を表現したグループは、介入があったあとの幸福度がかなり高くなったことが報告されています。興味深いことに、この効果がでたのは、毎週日曜の夜に感謝すべきことを書きだした参加者だけでした。週に3回、書きだした参加者は何の効果も得られなかったのです。
一見すると、この発見は奇妙に見えるかもしれません。しかし、ちゃんと説明がつきます。毎週火曜と木曜と日曜に感謝を表現することになっている人たちは、それが面倒な作業だと思って、しだいに退屈になっていったのでしょう。一方、週に一度だけ感謝を表現する人々は、長い間にわたって、それを新鮮で意味のある行動だと思い続けたのです