量子力学と株価は意外に相性がいいようです。

韓国の延世大学(Yonsei University)で行われた研究によって、

株式市場を分析するための革新的な量子力学モデルが開発されました。

 

株価の値動きを粒子の振動として理解する

近年の研究ではこの株価の動きを物理学的な粒子の振動と解釈する試みが増えてきました。

 

量子力学によって株式市場の法則を発見することに成功!

 

個々の銘柄の株価を「株価粒子」とみなし、市場への情報流入をエネルギーと考えることで、株価の振動パターンを量子力学の観点から分析するのです。

 

たとえば株式市場に起こる暴騰や暴落などの極端な現象は、統計的に(正規分布で)予測される発生頻度を遥かに上回っていることが知られていますが、量子力学の概念を導入することで理解できる可能性があります。

 

ただ量子力学の数学的な枠組みを経済システムに適用する際には、個々のパラメーターの慎重な検討が求められます。

 

量子力学によって株式市場の法則を発見することに成功!

 

後半では「粒子の変動」を量子力学の基本となるシュレーディンガー方程式に組み込み、景気など外部の介入(外部ポテンシャル)によって、どのように株価が上下するかを解析しました。

この枠組みでは、投資家の集団売買活動は株価に対する圧力と考えることができ、その圧力の大きさは振動粒子のエネルギー準位に相当します。

市場の不確実性が高いということは、エネルギーレベルが高いことに相当します。

また景気や不景気などの要因は粒子を収めた箱を熱したり冷やしたりする外部からの干渉と言えるでしょう。

つまり、株式市場の値動きを翻訳作業を経て(強引に)シュレーディンガー方程式に適合させたわけです。

 

暴騰や暴落を量子力学で理解する

 

この結果は量子力学を組み込んだ分析では、人間の集団心理、特に群衆行動として知られる現象を反映していることを示しています。

量子力学によって株式市場の法則を発見することに成功!
 

また研究では不景気の時には好景気時よりも平衡化の力が弱く、群集化が起こりやすいことが示されました。

この結果を投資家の心理に再翻訳すれば「不景気のときの急激な値動きのほうが恐怖が強く、群集心理に飲まれやすくなる」となるでしょう。

逆境の時こそ人々が群集心理に流されやすいという、私たちの直感とも一致します。