2024年、株価は暴落する。

皆さんは「小幡さん、またですか……」と言うだろう。

 

「バブル崩壊→救済→救済バブル崩壊→救済」の繰り返し

 
私は、毎年株価に弱気なのではない。2002年からはずっと強気だったし、2007年の「パリバショック」で弱気に転換し、
2009年から強気になり、2011年の東日本大震災後はさらに強気になった。
2014年秋の「黒田日銀異次元緩和」第2弾からは弱気になり、その後、ずっと弱気である。
 

それをきっかけにいよいよバブル大崩壊→そこへさらなるショック、予期せぬ「コロナショック」でバブルが完全破綻、と思いきや、コロナショック大救済→金融最大緩和→財政大出動で、「コロナバブル」が起きた。

 

コロナが世界にプラスのわけがないから、この大バブルは大崩壊の前兆なのだが、インフレからの停滞、金利急騰でも崩壊せずに、むしろ景気急減速に対する金利引き下げ期待で再度バブルとなっている。これがこの15年の状況だ。

 

次にバブルが崩壊したらどうなるのか

本来であれば、今回のバブル循環はリーマンショックで終わっていたはずだった。
それを政策で延命を続け、さらにバブルを膨らませた。だから、崩壊はより大規模なものになる。
 
これらが崩壊するわけだから、株式市場の暴落にとどまらず、国債が暴落し、中央銀行や国家財政が危機となる、
21世紀に入ってからでは最大のバブル崩壊となるだろう。
 
バブル崩壊とならずに、世界の実体経済全体が徐々に弱っていくというシナリオもありうる。これを私は、
日本経済においては、2013年に出版した『ハイブリッド・バブル』(ダイヤモンド社)で「日本経済の安楽死」と名付けたが、
これが世界的に起こる可能性もある。
 

なぜ近代資本主義は滅亡に向かっているのか

では、なぜ、いま近代資本主義が滅びるのか。それは、中期バブルの崩壊が、
2008年9月のリーマンショックという崩壊すべきタイミングで崩壊させなかったために、
さらに無駄に、そして制御不能なまでに膨張してしまった。その結果、金融市場だけでなく、
政府や中央銀行をもすべて巻き込んだ巨大バブル崩壊となって、中期のついでに長期のバブルも崩壊してしまう
リスクが高まったからである。
 

「バブル崩壊は技術進歩で止められる」という幻想

もしこれが正しいとすると(ほとんどの読者は半信半疑どころか、相手にしていないかもしれないが)、

「何か救う手段はないのか」というのが普通の発想である。

「環境破壊、どうする? テクノロジーだ、技術進歩、人類の叡智で解決しよう!」というのが、現代の健全な発想だろうが、

ちょっと虫が良すぎる。

 

なぜなら、近代資本主義というバブル、中期の経済市場のバブル、短期の金融市場バブル、いずれも金融商品、

モノという商品を誰かが、これまでよりも高い価格で買うことから生まれているからだ。つまり、誰かが、

新しく商品を市場で買わないといけないのである。さらに、その市場で、より高い価格を付けて買わないといけないのである。

 

近代資本主義が発明した「2つのバブル膨張メカニズム」

資産市場が実体経済よりもバブルが膨張しやすい理由は、この時価主義にある。市場で売買されるのは、マージナルな、
端っこだけである。つまり、最後に買いたい人が買った値段が、その金融商品の価格となる。
 
新たに株式市場に、より貧しい人々(大金持ちだけでなく小金持ちや年金を増やそうとする庶民)を動員することによる
「ネズミ講メカニズム」が、金融市場資本主義とバブルの本質であり、さらに、一部分の値付けが全体に及ぶ時価市場
(至上)主義のメカニズムなのであり、この2つを発明した近代資本主義は大いにバブルを膨張させてきたのである。
 

金融が縮小すれば、近代資本主義経済も縮小する

したがって、資本注入量が減少すれば、どんなに技術革新(ChatGPT?)があっても、どんなに人々の生活が前よりも
便利になっても、
経済規模、GDPは値付けとして縮小していくのである。買うカネがなければ、経済は拡大しないのだ。
 

しかし、「2024年こそ、ついに暴落は最終的に確定的に起こる」と2022年よりは自信を持っていえる。理由は以下のとおりである。