米国のインディアナ大学ブルーミントン校(IU Blo)で行われた研究によって、

人工的に培養されたヒト脳細胞(脳オルガノイド)をチップと融合させた、ヒト音声の識別が可能なAIが作られました。

 

  • ヒト脳組織をAIのパーツとして組み込む
  • ヒト脳オルガノイドは「教師なし学習」も可能
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ヒト脳細胞をチップと融合させた「日本語の音声識別AI」を開発!
 
複数のオルガノイドを基盤の上に配置した様子。左下の呼吸する肺から出た酸素の多い体液は赤で示され、各臓器から戻って来る酸素の少ない体液は青で示されている 複数のオルガノイドを基盤の上に配置した様子。左下の呼吸する肺から出た酸素の多い体液は赤で示され、各臓器から戻って来る酸素の少ない体液は青で示されている / Credit:youtube.TissUse
 
脳オルガノイドは主に球状の形態をしており複雑な神経ネットワークを持っています。 脳オルガノイドは主に球状の形態をしており複雑な神経ネットワークを持っています。 / Credit:Hongwei Cai et al . Brain organoid reservoir computing for artificial intelligence . Nature Electronics (2023)
 
ヒト脳細胞をチップと融合させた「日本語の音声識別AI」を開発! ヒト脳細胞をチップと融合させた「日本語の音声識別AI」を開発! / Credit:Hongwei Cai et al . Brain organoid reservoir computing for artificial intelligence . Nature Electronics (2023)
 
 

ただこの場合でも初期の学習速度は脳オルガノイドのほうが早く、

高度なAIが同じ精度に達するのに必要な10分の1の時間しかかかりませんでした。

 

またどちらのケースでも、通常のAIに比べて必要とされる電力は極めて少なく済みました。

 

これまでの研究で人間の脳は、完璧な解答よりも「そこそこ」の精度の解答を素早く行う性質があることが報告されています。

これは明確な論理から導かれる答えとは異なる「ひらめき」のような解答です。