米国のミシガン大学(UMich)で行われた研究によって、

人間において生殖能力を強化する遺伝子を持つ人々は、寿命が短縮する傾向にあることが示されました。

 

短命でも生殖能力が高いほうが良い

長寿でも生殖能力が低ければ生きている意味がない

みたいな結論

 

現在では少子高齢化であるが遺伝子的には生殖能力は上がっているらしい

医療の進化で短命なはずが長寿になっている

 

目次

 

なぜヒトは老いて死ぬのか?

しかし長寿化の利点を享受する前提条件として、生物たちは種内の生殖競争に勝たねばなりません。

長寿の遺伝子を持っていたとしても、種内でモテなければ子孫を残せず、

せっかくの長寿遺伝子も途絶えてしまいます。

 

より俗っぽい表現をするならば

 

「100歳まで生きるブサメンと50歳まで生きるイケメンがいた場合、

子孫を残せるのは半分の寿命しかないイケメンのほう」

 

上の例はかなり乱暴ではありますが、長寿化が有利だとする理論が「生殖競争の結果」崩壊してしまうのです。

生殖能力と寿命のトレードオフはヒトにも起きていた

ここでは76歳までしか示されていませんが、差は高齢になるほど拡大していく傾向にありました
 

生殖さえできれば寿命はどうでもいい

出生率を高める遺伝子は寿命を縮めると判明!
 
なぜ生殖能力が高いと寿命が縮むのか?
 

というのも、自然選択においては、生殖のほうが遥かに重要な要素になるからです。

自然界を見回して生殖能力強化と長寿化のどちらを種の繁栄手段として選択しているかをみれば、

ほとんどの場合で生殖能力が選ばれていることがわかります。

 

多くの生命にとって生殖力が強化される変異を得られるならば、寿命は犠牲にしてもかまわない(どうでもいい)のでしょう。

 

今回の研究では答えを得るべく、1940年生まれのヒトの遺伝子と1965年生まれのヒトの遺伝子を比較しました。

結果、1965年生まれのヒトのほうが、生殖能力を高める変異が多くなっていることが判明しました。

 

つまり生殖能力と寿命のトレードオフは現在進行形で人類の内部で起きているわけです。

現代の少子高齢化という状況を見ると、この結果はかなり反対のことを言っているように見えます。

 

しかし医療技術などの環境要因の改善が極めて強力に働いており、

個人レベルでの寿命の低下は見えにくくなっています。