これはコンピュータサイエンス分野での長年にわたる課題の一部解決であり進展を示しています。
ただし、本発表の解釈にあたっては注意点があります。

 

オセロは、約10の58乗通りのゲーム展開と約10の28乗通りの駒位置とされています。
計算で最善手を導き出し最終的にどうなるかは解明できていませんでした。

コンピュータサイエンスにおける長年の大きな課題だったと言われています。

そこでPreferred Networksの研究者は、オセロをある側面から解き明かしました。

 

報告の主なポイント

① 両プレイヤーが完璧にプレイした場合、引き分けになる
② 以前の研究よりもはるかに少ない計算ステップで解くことができた
③ ソースコードがGitHubとZenodoで公開されており、再現実験はオープンにされている
④ Edaxという既存のオセロソフトを改良して研究された
(改良版もダウンロード可能)

 

注意点

論文では、オセロが「弱く解かれた(弱解決された)」という表現が強調されています。
「弱く解かれた」という表現は、ゲーム理論において特定のゲームの解決度合いを指す用語です。
つまり、今回の発表は、オセロの全体の流れに対して「完全な解析」が行われたわけではなく、最終的に引き分けになることだけが証明されたという内容です。