『オリエント急行殺人事件』 | 狂気と正気の狭間

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『yahoo!ブログ』にて活動して来ましたが、突然の〝サービス終了〟と言うテロに遭い、止む無く移転して来ました。

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鑑賞日時:平成29(2017)年12月8日[金]/9:00~11:05
映画館名:TOHOシネマズ 流山おおたかの森/SCREEN9
座席番号:L-14

 

映画館公開日:平成29[2017]年12月 8日[金]
地上波初放送:令和 2[2020]年10月 3日[土]

 

 

トルコ発フランス行きの豪華寝台列車オリエント急行。
発車後直ぐに、客室で男が刺殺される事件が発生する。
被害者は、アメリカ人の大富豪エドワード・ラチェット。
偶然列車に乗り合わせていた探偵のエルキュール・ポアロが、鉄道会社に頼まれ密室殺人事件の解明に挑む。
目的地以外は共通点の無い乗客達と、車掌を合わせた13人が、殺人事件の容疑者となってしまう。
ポワロは不可解な密室殺人事件の解決に挑む事になるが、乗客乗員の全員にアリバイが有り・・・。
 
監督 ケネス・ブラナー
 
出演 ケネス・ブラナー(エルキュール・ポアロ)
 
ジョニー・デップ(エドワード・ラチェット)
 
トム・ベイトマン(ブーク)
 
 
 
この先ネタバレの可能性有り
 
 
ロードショー公開初日&初回上映会を鑑賞。

20世紀FOX(配給?)の映画を見るのも久し振りだ。
本編開始前のあのドラムとファンファーレが象徴的なオープニング・シークェンスも懐かしさを感じる程だった。
20世紀FOXは、他2本のアガサ・クリスティー原作の映画化を予定しているらしい。(映画館販売パンフレットより参照。)
今作のラスト・シーンで、〝エジプトのナイル川〟で殺人事件が発生し、ポアロが召喚されるシーンが有るが、これは次回作が『ナイル殺人事件』だと言うフラグか?

平日(金曜日)とは言え、ガラガラだった。
今回訪れたTOHOシネマズ 流山おおたかの森のSCREEN9は、過去にも何度も利用しているので、毎回指定する座席は決まっている。
この度も希望の座席がゲット出来て何よりだった。

 

 

 

 

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ストーリー
基本的には1974年版『オリエント急行殺人事件』(以後:『1974年版』)のストーリーと結末を踏襲している。
思い描いていた通りの結末だったとしても、良い意味での〝鉄板ネタ〟なので安心して楽しめた。
下手に小細工して、全く異なる結末等にしなかった事を喜ばしく思う。
余談だが、まぁ、それは出来ない相談なのかも。
アガサ・クリスティーの権利等諸々を管理している財団的な存在が、それを許さないだろうから。
設定
微妙に違っている気がする。
キャラクター設定とか。
『1974年版』はテレビで観たし原作も読んだが、細々した事は忘れてしまった。
逆に言えば、その程度の範疇の差異なのかなと。

 

 

クライマックスでの、ポアロの推理が二通り用意されているのは同じだが、どうしても正義を貫き通さずにはいられないポアロ。
容疑者全員を前に、どちらの推理を取るか選択を迫る。
もし〝全員を見逃す〟方を選択するなら、この場で自分を殺して事実を隠蔽せよと。
結局はポアロ自身も、地元警察には犯人は他に存在し、殺害後逃亡したと虚偽の報告をして〝全員を見逃す〟事を選択した。
キャラクター
今作の魅力の半分を担っていると言っても過言では無いのが登場人物だと思う。

 

 

エルキュール・ポアロ像はデヴィッド・スーシェ(『名探偵ポワロ』)のイメージが強く刷り込まれていて・・・、どうしてもそれが基準となってしまう。
髪はテッペン迄〝ツルッ〟と行っちゃてて、髭もあんなに顎迄〝ワッサ〟じゃ無く、口髭〝クルリン〟って感じ。
正直、上映開始直後位は違和感を感じた事は否めないが、それでも話しが進むに連れ気にならなくなった・・・、顎髭以外は。
まぁ、それを払拭する程の今作のブラナー=ポアロですな。
これ迄観て来た登場作品のポアロ象を覆すと言っても過言では無いでしょうか?
何せ、あのポアロ氏が格闘戦迄熟してしまうのですから!
クライマックスでは、あれ程に激高するポアロ氏を観たのは初めてです!
これ迄は、紳士的で人の心の奥底を見透かす様な頭脳明晰で、口は立つが腕力はカラッキシと言うイメージでしたから。(飽く迄も記述者の個人的見解です。)
所で、〝ポアロ〟それとも〝ポワロ〟?
どっちが正しいの?(この記事は〝ポアロ〟とします。)
エルキュール(Hercule)とは〝ヘラクレス〟のフランス語形だそうで。

 

 

主犯格はハバード夫人。
この人が首謀者です!
ラチェットの傷跡が12ヶ所と言う事だが、容疑者は13人なんだよなぁ・・・、誰か刺さなかった人居たかな?
其々の、〝今回の事件の発端となった事件〟の被害者家族との関係性が、結構あっさりとサラっと紹介されたので見落としているかも。
中盤、ポアロに事情聴取されているキャラクター達だが、ちょっと突かれただけで自ら秘密を暴露し、墓穴を掘ってしまう印象を受けた。

 

 

アーバスノットと言うキャラクターは、『1974年版』では軍人だった。
ショーン・コネリー氏が演じていたので、このキャラクターだけははっきり覚えている。
しかし、今作では医師へとジョブ・チェンジしていた!
『1974年版』では他に医師が登場するので、〝合わせ技1本〟と言った扱いとなっているか?
キャスティング
主だった犯人の方々。
 
出演 ミシェル・ファイファー(ハバード夫人)
 
デイジー・リドリー(メアリ・デブナム)
 
レスリー・オドム・ジュニア(ドクター・アーバスノット)
 
ジュディ・デンチ(ドラゴミロフ公爵夫人)
 
ウィレム・デフォー(ゲアハルト・ハードマン)
 
ペネロペ・クルス(ピラール・エストラバドス)
 

豪華の一語に尽きます。
ケネス・ブラナー氏は、主演の他に監督と制作にも一枚噛んでます。
キャストでは無いが、制作にはリドリー・スコット監督も名を連ねている。
映像
美しかった。
積雪の山岳地帯を疾走するオリエント急行の映像は正に・・・、殆んどCG何だろうけど。
列車内は、セットだろうけども豪華だ。
国際寝台列車全盛の時代を彷彿とさせる。
願わくば、一等個室の内部や食堂車等、他の車両内部も観たかった。

 

 

オリエント急行足止めの原因となる脱線、そのまた原因となる線路への雪崩、更にその雪崩の原因が落雷って!
雪に雷が落ちる事何て有り得るの?
それで雪崩?
音楽
エンディング曲は、前半は物悲し気なメロディで公判はサスペンス性を盛り上げる強調だった。
期待感
名作のリメイクなので、否が応にも期待は膨らむ。
反面、犯人・手口・動機等々、全て知っているから・・・。
旧作通り完璧ににそれをナゾル形であって欲しい様な、全く違った結末であって欲しい様な・・・。
満足度
王道の面白さとでも言うべきか。
鑑賞後、一種の〝大岡裁き〟の様な爽快感を感じた。
良質の映画を見たと言う満足感。

 

 

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アクション
ポアロがこれ程アクティブで、格闘戦迄繰り広げるとは意外だった。
これ迄に無い〝動的〟なポアロ像が観られたのは収穫。
SF
該当要素無し。
コメディ
平時のポアロはお茶目なオッちゃん。
ウィットに富んだ会話を繰り広げる。
ホラー
閉鎖空間に殺人鬼がいるかと思うと神経が参るでしょう。(ポアロとブーク以外全員犯人。)
グロテスク
12ヶ所にも及ぶ、様々な形の刺し傷のラチェットの遺体。
サスペンス
全員が容疑者であり、全員にアリバイがある。
動機は不明だが、ラチェットの正体が物語る物とは・・・。
ただ、時代背景のせいか何と無く優雅な雰囲気でサスペンス性が緩和される感じ。
謎解き
まぁ、これ以外無いでしょう。
ラチェットの正体判明からの容疑者と同機の特定。
不可思議
該当要素無し。
ラヴ
メアリ・デブナム×ドクター・アーバスノット。
当時としては、白人と有色人種の恋愛は、難関が想像以上なのでしょうな。
エロス
該当要素無し。
悲劇
まぁ、因果応報と言ってしまえばそれ迄だが、例え悪人でもラチェットの死。
ラチェットの引き起こした事件のせいで、人生を狂わされ、ラチェット殺害に至った人々。
感動
感動というのには、悪人とは言え人が殺されているので相応しく無いが、それでも事情を酌んで実行犯の人達を見逃したポアロの心情。
ドキュメンタリー
事件の舞台となった重要な存在、オリエント急行は実在した。
歴史
豪華な国際寝台列車であるオリエント急行が全盛の時代。
1930年代らしいから、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間頃?