"Mario! Mario! Mario!....Son qui!""Mia gelosa" | Je Veux Vivre

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Dans ce rêve qui m'enivre

ヴェリズモ・オペラの真骨頂で運命に翻弄される歌姫トスカと画家カヴァラドッシの悲恋を描いたプッチーニの『トスカ』には、"E lucevan le stelle" "Vissi d'arte viss d'amore" "Recondita armonia"等数々の美しいアリアや二重奏が散りばめられている。息もつかせぬストーリー展開の中で繰り広げられるアリアはどれも魅力的だが、第一幕、トスカが聖アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会にカヴァラドッシを訪ねる場面で歌われる二重奏は多くの愛好家に好まれ、私自身もとても心惹かれる旋律だ。

 

トスカがカヴァラドッシを探してその名を呼びかけながら登場し、カヴァラドッシが"Son qui"(ここにいる)と答えるところから始る"Mario!"Mario! Mario!"そして"Mia gelosa"まで、共に非業の死を迎えるトスカとカヴァラドッシの束の間の逢瀬を描くシーンで、デュエットの歌詞も情熱的で夢見るように美しい。とりわけトスカが"Non la sospiri la nostra casetta"で歌う

 

 

Fiorite, o campi immensi, Palpitate, aure marine, Aure marine nel lunare albor, Ah, piovete volutt, volte stellate! Arde a Tosca folle amor!

 

 

と歌う数小節は気持ちも高揚し、美しい旋律が至福の時をもたらしてくれる。

 

 

こちらはフレーニがトスカ、パヴァロッティがカヴァラドッシが歌う輝かしい名盤。

 

 

 

カラスとディ・ステファノによる黄金の"Mia Gelosa!"

 

 

 

こちらはMetでタイトルロールデビューを果たしたヨンチェヴァ(マクヴィカー演出)。彼女のフレージングと声質は共に好みなのでヨンチェヴァの歌い演じるトスカは非常に堪能できる。次々と新しいレパートリーに挑戦しているヨンチェヴァだが、また彼女のトスカを鑑賞したいとこちらを書きつつ改めて思った。