クレランボー症候群(de Clérambault syndrome):好意のサインだと信じる妄想 | Je Veux Vivre

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以前、SNSのユーザー名を逐一変更してターゲットに複数回コンタクトをとっていた妄想性障害の男子生徒のケーススタディを紹介したが、その妄想性障害について簡単に紹介したい。

 

 

 

 

 

クレランボー症候群(de Clérambault syndrome)は別名エロトマニアと呼ばれる妄想性障害の一種で(DMS-5=精神疾患の診断・統計マニュアルに基づく)、対象が自分に好意を持っているという誤った信念を抱く。稀な疾患でそれ自体で発症することもあるが、統合失調症双極性障害等の疾患の症状に結びついていることも多い。対象は接点もない政治家や芸能人等の著名人であることも多く、ストーキング行為にまで発展することもある。男性より女性に多く見られるとの指摘もある。

 

 

 

 

クレランボー症候群の症状を持つ人々の共通の特徴としては

 

・自尊心が低い

・拒絶や孤独の感情を持っている

・社会的に隔離されている

・他者の視点に立って物事を見ることが困難

 

という点が挙げられる。

 

Common traits of people with erotomania include:

  • Low self-esteem
  • A feeling of rejection or loneliness
  • Social isolation
  • Trouble seeing other people’s point of view

 

ターゲットがしばしば変わることがある一例として、英国王ジョージ5世をストーキングしていたフランス人女性の例が挙げられる。英国王の以前は米軍の将校であったが、後にターゲットを英国王に変更。フランスからロンドンに渡ってバッキンガム宮殿周辺をストーキングしていた。自身はそれ以前には英国王からの好意に気づかず(accidentally=うっかりと気づかないでいたと思っていた)、今までドアをノックされても無視していたものは全て王からのものであったと解釈するに至ったというエピソードもある。

 

 

 

 

イギリスの精神科医であるアレキサンダー・モリソンによるクレランボー症候群の患者の絵画もこちらで閲覧することができる。