思い草へ | 思い草へ              

思い草へ              

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野を渡る 青風のうたに 
小さき鈴花の白 朝露を抱いて揺らげば
その微かな音色に和して また季節が少しだけ巡る

ぎこちない指先 手探りの仕草で 
思いの暦をめくる 幼い萌芽を
いつしか青々と繁らせる 時のみわざを信じていて

野を満たし広がるのは
一粒の枯れ種の内にある 命を蘇らせる約束
一面に咲く 瑞々しく艶やかな再生の証しと
信じきった静けさ


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