桜姫東文章、おじさまもおばさまも、期待に胸躍らせ、歌舞伎座に馳せ参じてる様子、あちこちで感じます。
この前の頁では、発端の江の島稚児ケ淵、序幕新清水花見まで壊述したので、今日は桜谷草庵から、稲瀬川、三囲神社鳥居先までの上の巻の最後までを目指します。
渡辺保先生、2日目にご覧になっての劇評も発表されてます。
今日の朝日新聞夕刊には、児玉竜一先生の劇評が載ってました。(明日添付予定)
序幕第二場 桜谷草庵の場
今日のみと見るに涙の十寸鏡、慣れにし影を人に語るな
玉三郎の桜姫、白の広ふり袖。五百崎はいおざきと読むなり。長浦、待乳、浅芽、綾瀬、関屋ら
仁左衛門の権助、入間悪五郎よりの恋文の使い。
幽霊話する権助の腕に桜の刺青。みた桜姫。ここへおじゃ。桜姫の腕にも揃いの刺青、いきさつ語らい、権助、桜姫、これより色々あり、簾おりる。足をぐぐっと桜姫の股間に押しつけたり、姫の帯ときくるくるくる〜、姫までもが権助の帯に手を掛け…
桜谷草庵の場は煽情的ではありましたが、美しさと品の良さがありました。2等席最前列でしたから、遠かったです。近くでみたらまた違ったかもしれませんが。
散り果てぬ、命待つ間のほどばかり、憂き事しげくおもおゆるかな。いずれの誰か犯したる。罪をこの身に恋い衣、仏のみ弟子がこの有様
云うに云われぬ事ゆえに、尊きおん身の勿体ない、無実の罪に誘いし、憎い女子とお腹も立とう。罪も報いも今の間に、清玄様、お赦しなされてくださりませ。
二幕目第一場 稲瀬川の場
百杖打たれし清玄、桜姫、清玄は白菊丸の生まれ代わりと信ずる桜姫と結ばれようと、いよいよ破壊堕落の身となり桜姫に執拗に迫る。悪五郎現れ、争いあううち、清玄あやまり川に落ちるが、桜姫の振袖咥え這い上がり、泣く赤子を抱いて桜姫を追う。場面暗く、細かい表情はみえなかったけれど、話の流れ追うだけでもはらはらどきどき、集中とぎれず面白かった。
桜姫、桜姫、コレ桜姫、ようも愚僧をいつわって、ここを逃げても逃しはせぬ。堕落なしたもそなたゆえ、ゆくえたずねて。
やぁ、こりゃこれ、姫が幼な子。
この父親はわが仇人、さわ、さりながら、行方訪ねる良きしるべ。桜姫やぁい。
二幕目第二場 三囲の場
むら鳥の、立ちにし別れいまさらに、思い返せば御寺にて、不義の男を助けんと、尊き僧を破壊させ、その罪科が今の身に、散りかかりたる桜姫、隅田の嵐に濡れ衣の変わり果てたる姿じゃのう
とても無間に沈む身を、思うて見ても今一度、その仇人にまみえんと、この幼な子を養育の、苦患は知らて今頃は
いつくの誰が手しおにて、育つ我が子を一目なと
逢うて重なるこの恨み
恋し床しのみどり子の
親が目先の桜姫
逢いたい
みたい
仏神様
姫に
我が子に
どうぞ逢わせて
くださりませ
春雨けむる夜の隅田堤、蓑笠をつけた桜姫と、破れ衣に破れ笠の清玄はすれ違う、
破れ衣に破れ笠、これも誰ゆえ桜姫
上下に割って決まる。この風情を心に残しながら、六月の続きを待ちこがれつつ、24日にもう一度みる幸せ。今度はもちっとおそばでみます。