松の内が過ぎ、連休明けの昨日9日が私の今年の初芝居見物。もちろん新橋演舞場の初春歌舞伎公演からはじめました。

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昨日は三階。偶然同じ日の観劇だった成田屋のお友達は一階の前のほうだったので、羨ましかったですが、始まるといや、三階と一階両方とってよかったと思いました。

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お昼の部【Aプロ】の 天竺徳兵衛韓噺 の初演は文化元年(1804年)7月3日 河原崎座で、勝俵蔵(かつひょうぞう)こと南北が50歳のときの作品で、初代尾上松助(おのえまつすけ:のちの松緑)61歳の奮闘公演として書き下ろされたものだそうです。文化デジタルライブラリより。

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歌舞伎ならではの実は実はが繰り返され、早替わり、宙乗りなどケレン味たっぷり、妖術、立ち回り、屋台崩し、大屋根の立ち回りなど見所満載でしたが、お話の理解に勤めようとするとややこしく気を張ってみたのでちょっと疲れました。

最後の最後で海老蔵の美しい足利義政の登場。その一瞬でからりと晴れ渡りました。イヤホンガイド借りればよかったかなとちょっと後悔しました。

清に滅ぼされた明の木曾管(もくそかん)が右團次演じる吉岡宗観。実は徳兵衛の父で明国再興の目論みを死ぬ間際に徳兵衛に打ち明け、蝦蟇の妖術を伝授します。宗観妻夕浪・上村吉弥。お似合いのご夫婦でした。主役の徳兵衛が獅童で大病を克服した喜びと意気込みが溢れる熱演、はまり役ですよね。持ち役当たり役のひとつに加わりますように。 

その妖術を使い、明国再興のため、日本国をも支配しようとする徳兵衛。

梅津掃部・九團次、梅津奥方葛城・笑也。佐々木桂之介・友右衛門を慕う銀杏の前は梅津の妹・児太郎。彼らは実は徳兵衛ら明国の野望を阻止するための清からきたもの達。笑也にぴったりのお役、児太郎もとってもいい💖

徳兵衛は座頭徳市や、桜町中納言になりすまし大暴れ。銀杏の前を葛籠に入れて屋敷から逃げ去る場面が葛籠抜けからの宙乗り。徳兵衛の野望は将軍足利義政・海老蔵に見破られ一見落着。主役が敵役だと捕まらない、逃してまたの再会を期すのが歌舞伎。

立派な奴、誰かと思えば松江。赤面の山名時五郎・弘太郎。ライザップで美しく痩せた九團次、海老蔵に似てる?!と一瞬思いました。このお役ほんとに声もいつもと違えていてとてもいいと思いました。

天竺徳兵衛韓噺、もう一度観るときは肩の力を抜いて流れにのって無心で楽しみたいと思います!

追記:大事な準主役「蝦蟇」について書いてないのはまずい!蝦蟇大活躍。蝦蟇と軍兵だけの立ち回りだってあるんですから、あの蝦蟇の中が気になります。葛籠抜けの前は獅童が蝦蟇からでてきましたが、立ち回りの蝦蟇の中にはまさか入ってなかったでしょうね。わたしは六本木歌舞伎で素晴らしい跳躍をみせていた亀🐢をやってた成田屋一門の新八ではないかと睨んでいます。ついでに言うと、法楽舞で静御前の身替も気になってます。こういうのは気にしちゃいけないのかもしれないけれど^_^

さて、「口上」成田屋海老蔵に睨んでもらえばなんか今年も元気でいられそうな気がしますからありがたいです。巻ぶれも初めて拝見しました。こいつぁあ、春からです。

「静の法楽舞 」
面白かった、好きですこれ!
海老蔵七役、姑獲鳥・笑三郎、蛇骨婆・吉弥がおどろしいんだけどなんかチャーミングで和むいい味だしてました。吉弥さん、お役の幅が広いわあ。忍性上人・右團次、従僧方便坊・九團次、従僧普聞坊・廣松も風格ありとてもよかったです。

それに史上初、河東節、常磐津、清元、竹本、長唄囃子ご連中が勢ぞろいしてのこの演目でしか聞けない贅沢極まりない音楽も加わるのですもの。鳴物好きにはたまりません。素晴らしかった。音つき映像がほしい!テレビ放映ないのかしら。あればいいのに。

静御前、源義経、老女、白蔵主、油坊主、三途の川の船頭、化生の七役を海老蔵が舞う。日本ならではの魑魅魍魎。海老蔵ならではの化生の凄みは比類ない。これとてもよかった。

簡単に書くつもりがまた長くなってしまいました。記録しようと思い出してるとまた観てる気になって楽しくなっちゃって。思い出し笑いみたいなブログにお付き合いくださりありがとうございます。

Bプロは別項で。