感想: 「ステップ」死別後も時は過ぎる | 夫はフランス人、膵臓癌になりました (ワイン畑の中の3人家族)

夫はフランス人、膵臓癌になりました (ワイン畑の中の3人家族)

フランスで出会い、嫁ぎ、娘が生まれて7か月、夫が膵臓癌になり、2020年4月に旅立ちました。闘病の記録として始めましたが、その後の日々の生活や想いも綴っていこうと思います。

ステップ 重松清

小説  中央公論社 https://www.chuko.co.jp/bunko/2012/03/205614.html


映画 映画「ステップ」公式サイト|大ヒット上映中!山田孝之、父になる。亡き妻を想い、男⼿⼀つで娘を育てる⽗親の10年間を演じきる!30歳の若さで妻に先⽴たれた主⼈公・健⼀とその娘・美紀が、彼らを取り巻く⼈たちとの交流の中で成⻑していく姿を描いた感動作!大ヒット上映中!リンクstep-movie.jp


 

ツナグ、に引き続き読んだ小説の感想です。

 

フランスから日本に変える際のANAで映画を見ました。

 

「結婚三年目、突然の妻の死。娘と二人、僕は一歩ずつ、前に進む――娘・美紀の初登園から小学校卒業まで。「のこされた人たち」の日々のくらしと成長の物語。」

 

死別シングルファーザーの物語。

やはり、こういう自分の状況に似たものは見てしまいます。

そして、探したわけではないのですが原作の文庫本もたまたま見つけたので買って読みました。

 

映画も本もどちらも淡々と静かに時の流れが進み、

登場人物の関係や心境が繊細に描かれていました。

 

主人公の妻が娘さんが物心つく前に亡くなった事、

義理の家族との関係が中心である事が自分と重なりました。

 

奥さんが亡くなった経緯や悲しみに関する突っ込んだ感情の描写はありませんでした。

同時に、

時が過ぎる事、子供は成長していく事、まわりも自分も歳をとっていく事

登場人物の寂しさや複雑な思いやり

 

これらが描写されてると感じました。

 

大切な人がいなくなった日常。

 

シングルファーザーの人生の10年をのぞき見させて頂いたような感覚でした。

 

そっかぁ。

Mも成長していく。

私も歳をとっていく。

義理の両親も、、、

 

過去の亡くなった主人公の妻への想いはいつも存在していて、

現在は着々と未来と入れ替わって娘さんは成長して、

未来はいつの間にか現在になる、

 

それが期待したものであろうと、期待しないものであろうと。

悲しかろうと、

寂しかろうと。

 

合理的な答えは、「前を向く事」

でもそう簡単にはできません。

時間が解決、という事でもありません。

それが、自然なんだな、と言ってくれているような気がしました。

 

また、義理両親との交流が大きな部分を占める事が印象的でした。

 

主人公にとって妻の両親、娘のおじいちゃんおばあちゃん。

義理両親にとっては娘の夫、孫の父親。

 

 

私と義理両親と義理の妹達には当てはまる

関係なので共感しました。

 

残念ながら義理の弟と私との間にはドロドロした亀裂しかない事は大きな違いですが。

これは、もう埋まる事はない、

派生してしまった事実。

 

 

 

人生色々、、、

 

夫よ、どう思う?

夫はこういう感傷的な話は苦手。

ロマンチックな事もダメ(フランス人がロマンチックでないことにショックを受けたのはもう2年以上前、笑)

ロックだったり、アクションだったり、森とか動物とかのワイルドライフは好きな人でした。

 

私がフランス語を全然話せない時に、

初めて義理家族と対面して楽しかった会食を

夫がすごく喜んでたのを思い出しました。

私も嬉しかったな。

 

すごく、

昔のよう。でもたった3年前の2018年の正月。

 

夫との関係も始まったばかり。

 

愛する人とのハッピーな生活と結婚、

2人でドキドキしていた出産、

3人での希望溢れるスタート。

 

たった2年間だった。

 

来年の4月からは

夫といた期間よりも夫がいない時間が長くなる。

M3歳かぁ。

 

『フツウ』ってなんなのか、

片親だとフツウではないのか?

 

 

娘さんの教師が親を亡くした子供を理解できないエピソードや、

キャリアと子育ての両立のもどかしさも

死別シングルにとってフツウにやってくるテーマなんだろうなと参考になりました。

 

子育てはまだこれから。

日本の家族や

理解してくれる人々や、助けて頂ける事への感謝を忘れずにいよう。

 

コロナのおかげで更に未来が見えないのは、

目の前の事に専念すべしと捉えて、2021年を歩みます。