8月28日 教会での式 | 夫はフランス人、膵臓癌になりました (ワイン畑の中の3人家族)

夫はフランス人、膵臓癌になりました (ワイン畑の中の3人家族)

フランスで出会い、嫁ぎ、娘が生まれて7か月、夫が膵臓癌になり、2020年4月に旅立ちました。闘病の記録として始めましたが、その後の日々の生活や想いも綴っていこうと思います。

先々週金曜日、14時半から夫のセレモニーを教会でしました。
Mは近くに住んでる友人に預けました。

本来なら
霊安室→教会でセレモニー→墓での式(埋葬)→ワイナリー集合で会談

ですが実際行ったのは、コロナの影響で霊安室→墓での式 しかも10人限定でした。
今日は教会でのセレモニー→墓参り(本来ならここまで遺体あり)→ワイナリーで会談

来場者の実際の人数は不明なのですが、おそらく400人以上は教会に来ていただいていて、
300人以上がワイナリーに来て下さってました。

教会には開始時間の30分前にはかなり沢山の方がいらしていました。
皆マスク。
マスクなので、よく知っている人でも誰が誰だかわからない。
夫は友人、親族も多く、これだけでも多いのに、更に狩り仲間、ワイナリーの顧客関係だといっぱいいっぱいです。

さて、教会では家族は最前列に座り、妻の私は最前列の中央に座りました。
遺体の代わりに事前に選んでおいた写真が大きく掲げられてました
澄んで力強い、彼らしい眼差し。

義理の妹、市長(夫の従弟)のスピーチがあり、司教様のお言葉と歌が交互に繰り返されました。
特に狩のホルンの演奏が数曲あり、崇高に響き渡り美しかったです。これは異例、意外、の事のようで、彼の友人が有志で組んで下さりとても良かったです。

スピーチではそれぞれの言葉の中に、
彼のワインと自然と家族と仲間と生きた事、
私と出会って日本まで行って結婚して素晴らしい娘ができて愛ある家庭を持った事が伝わりました。
自分で言うのも変ですが、
無口で素朴で頑固な夫が、
この村にしては突拍子もない異国人との恋愛&スピード婚でした。
そして、幸せだった。
村はもちろん近隣に知れ渡るニュースでした。
それを改めて私も感じる、
彼の人生。

後は漠然と、天井高く、美しい曲線を描く建築の天井と品よく年数を得た白い壁、
それに響く歌声とオルガンの素朴で光を感じる雰囲気が優しく感じれました。

フランスの田舎で、何やってるんだろう、、、

沢山泣きました。
何で泣くのか?
、、、、、、、、、、

想う事は多くある、、、、、、、


式が終わって取敢えずその後Mを回収(笑)して墓へいき、その後我が家、ワイナリーに戻りました。
本来、コロナや夫の事態がなければ7月初旬に開催したはずの自社のワイナリーの祭りの如く、もしくはそれより多くの人が集まリました。
恐らく村中のワイナリーの面々が集まった貴重な機会でもありました。
こういった近しい人々の集まり、交流はとても夫らしい。
夫が居る、そう温かな心地で過ごせました

結果的にあたたかな式と人々との交流になりました。
多くの方から
「いつでも遠慮なく何でも言ってね」
「今度Mと一緒に家に来てね」
「いい式とお別れの機会をくれてありがとう」
など、お言葉を頂きました。

式の直前までとてもネガティブにとらえていました。

私の中で、もう夫が居なければこの村や人々とは疎遠になる、
そんな恐怖があったのだと、後日の安心感を持って自覚しました。

イベントの高揚感もあって、その時ばかりの言葉かもしれません(ネガティブ!)。
でも、これらの言葉には勇気付けられました。

気持ちの切り替えなんてできません。
でも、やって良かった。

2週間たって、収穫の時期になった今はやっぱり
精神的に辛い、
この時期に夫が居ないなんて辛い。。

でも、この式の日には何かが、
空に飛び立った、そんな感じがします。

一歩だけ、階段を上った。

まだ全然先があるけど、一段だけ。


そして、別途の話ですが式の際に癌の研究の為の募金が約30万円ほど
集まりました。
パリのInsititut curie とLigue cancer とう2団体に寄付します。


何かの役に立てれば。

私、義理家族はそういう思いです。

何かの役に立てれば、、、、、
その続きは、「夫の闘病も死も何か報われる」
という事だと思います。

曖昧な言い方はなのは、
募金くらいではでは病が治せない事、
痛みがなくならない事
心を救えない事、
喪失を埋められない事、

を解ってるから。

でも、こういった
気持ち、心、少しの活動が、
0であれば0。
でもあれば、塵も積もれば山となる。

やっぱり、前進してほしい。

私は少しでも前進したら、
救われます。

ブログでやっぱりたくさん救われてきてい。

そう、実感しているから。

回り回って、お返しになりますように。

研究されてる方々からしたら微々たるものかもしれませんが。

さて、そんな式直後の8月31日
から働き始めています。
収穫前の下準備に駆り出されました。ありがたい事です。

まだまだ暑い!