Gustave Roussyから電話 | 夫はフランス人、膵臓癌になりました (ワイン畑の中の3人家族)

夫はフランス人、膵臓癌になりました (ワイン畑の中の3人家族)

フランスで出会い、嫁ぎ、娘が生まれて7か月、夫が膵臓癌になり、2020年4月に旅立ちました。闘病の記録として始めましたが、その後の日々の生活や想いも綴っていこうと思います。

Gustave Roussyから電話がかかってきました。

郵送でのやり取りのみだと思っていたので少しびっくりしました。

どうやら、2週間前に夫宛に返信を送ったらしいのですが受け取ってません。

返信はもらってませんが、先日先方から質問を送るように、との手紙がきたので質問リストを送りました。

その中に

「癌の状況を画像を使って視覚的にわかるように説明してほしい。」

という質問をしました。

電話はどうもこれについてらしく、

「これは担当のオンコローグから説明される事なのですが、されていないのですか?」

されてません!

 

そして私のフランス語がカタコトとわかったらしく英語で話してくれました!

 

どうやら、

夫の癌の状態では手術は難しい、

この肝臓の癌があまりに多いからとの事。

今のところの予想では抗がん剤治療を長く行う事が必要とみられる。

希望であればやや近い(車で1時間)のところでGustave Roussyによる抗がん剤治療と診断を受ける事は相談できる(担当医を変える。)。

そんな事が話して解りました。

 

その後メールで所見を送って頂きました。

友人に翻訳をお願いするつもりですが、ざっと見たところでも

IRINOTECANはビリルビンが1,5以下になってから可能、

FOLFIRINOX以降の候補としてか抗がん剤の種類をいくつか挙げてる。

そんな内容と思われます。

 

今までで一番具体的に色々解った、

それが感想です。

今の病院からは書面で(膵臓は23㎜、肝臓は複数で一番大きいのが20㎜。)としか

解らなかったのです。

敵を知らなくては戦えない、ではないですが良かったです。 

 

具体的に聞いて病状についてはショックなところもありましたが、Gustave Roussy病院の対応は安心感みたいなものを感じました。

ただ言葉がわかるという事だけではなく、こちらの聞きたいことを理解している、

きちんと答えようとしてくれている、そう感じ取れました。

ちゃんとわかってる人が電話をして下さってるんだ、と話からも専門家と解りました。

今までは不安しかなかったです。

また、病状を具体的に聞いていいんだ、と改めて理解しました。

どうも、フランスではいけないのかな、と今の病院が話さない度に思ってしまっていたので。

 

手術は難しい、か。

義理家族が薬草にすがる気持ちを皮肉ながら今理解する。

でも、諦めちゃいけない。

夫が頑張ってる。

今日は「僕は、別の僕だ。今までの僕じゃない。」

そんなことを言いました。

 

辛そうな夫を見るのは痛々しいです。

でも本音を言ってくれてる、それはちゃんと受け止めたい事。

 

お隣さんが私の為に牡蠣をくださいました。

夫の昔からの友人で私も可愛がって下さりありがたいです。

夫が大好きな牡蠣、

いつもは夫が殻を開けてくれます。

今日も「僕が開けるよ。」そう言ってくれましたが、

夕方は痛みがあったので自分で開けました。

下手なので殻の欠片が沢山出てしまいました。

 

最近は慌ただしく適当なものしか食べていなかったので、

急なごちそうでした。

一人で。

一人だから、

凄く牡蠣の味が際立ちました。

 

3年前までは一人暮らしだったので普通だったこと。

 

夫と、食べたいな。

いつも殻を開けてくれてありがとう。

いつも楽しく食べさせてくれてありがとう。 

 

牡蠣も涙もしょっぱいなぁ。

 

ごちそうさまでした!