心の振り返り | 夫はフランス人、膵臓癌になりました (ワイン畑の中の3人家族)

夫はフランス人、膵臓癌になりました (ワイン畑の中の3人家族)

フランスで出会い、嫁ぎ、娘が生まれて7か月、夫が膵臓癌になり、2020年4月に旅立ちました。闘病の記録として始めましたが、その後の日々の生活や想いも綴っていこうと思います。

今日も夫は入院です。

午後はM(娘)とずっと一緒にいました。

昨夜は痛みがあり追加の薬が効いてくるまで眠れなかったらしいです。

でもMと一緒にすこし戯れたりしてうれしそうでした。

もうすぐ生後8か月、点滴のチューブに興味深々だったので気を付けました。

 

初めての抗がん剤治療は12月20日、この日にMは生後7か月になりました。

あっという間の日々でした。

自分自身の心境を綴ってみようと思います。

 

夫が膵臓癌で転移していると知った時はショックにより自分がショックを受けてることすら自覚してませんでした。

心の中は動揺しながらも、夫の前では明るく努めていなくては!と何らかの自分の足場を探してたように思います。

夫の見えないところで娘に授乳しながら涙を流してました。

こんな精神状態頭がおかしくなる

でも夫の方がきっと辛い、私が頑張らなくちゃ

 

親が夫の病気を聞いて日本から色々と癌に関する本を送ってくれました。

その中の「国立がん研究センター こころと苦痛の本」に、

「告知後の動揺や落ち込み、多くの場合は2週間をひとつの目安として、次第にもとの状態まで回復していく

というような内容があり、暗闇の中で手すりを見つけたような言葉でした。

 

何を考えたらいいのかわからない、色々な感情が渦巻いて収拾つかない、そんな時でした。

 

この心のメチャクチャは2週間で収まるのかぁ

不思議と私にとっては手がかりになったのを覚えてます。

 

色々な事が目まぐるしく起こり、膵臓癌や抗がん剤治療について調べまくったり、病院や先生の不明瞭なところを問い詰めようとしたり、あっという間に1か月が過ぎました。

 

今は

病院にいる夫の感染症が治まる事、

黄疸が治る事、

抗がん剤治療が始められるようになる事、

その抗がん剤治療が効く事、

痛みが最小限である事、

精神が折れない事、

 

を期待といいますか、願ってといいますか、祈っています。

 

私は現状をできる限り把握するようにしないといけない、

夫は、全てを知らなくても良くて心を前向きに保ってほしい、そう思ってます。

 

正直、心の中で5年以上生きる事が出来るイメージ(持つように努力)と、あと数か月かもしれないという不安の両方があります。

 

先はわからない、であればポジティブな方をなるべく心に描いた方がいいはず。

そう思いながらも、ネガティブな影は払拭しきれない。

 

何十年も毎日畑で、こつこつと農作業をしてきた夫

ワインを愛し、誇りにしている夫                                            

自然が似合う夫

トラクターや機材が得意な夫

美味しいものを一緒に食べるのが大好きな夫

「大丈夫だから、心配ないから」と大きな腕でいつも抱きしめてくれる夫

真面目で正直で優しくて、無口で武骨だけど少年みたいなところがある夫

頑固で自分の生き方を愛してる夫

M(娘)が可愛くてしょうがない夫

 

「なんで?どうして?」

って思う、いけないのかな

 

たくさんたくさん、幸せをくれた夫

今日は痛みなく、眠れてますように。