読了した本、2020 | マダム・ヤンの部屋

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SUNNY DAYS ❤︎
HAPPY DAYS ❤︎

今年読了した本を、忘備録に記しておきます。



まずは、フィリッパ・グレゴリーの、
薔薇戦争〜テューダー朝シリーズ。

「白薔薇の女王」
「ブーリン家の姉妹」
「悪しき遺産」
「愛憎の王冠」
「宮廷の愛人」

「ブーリン家の姉妹」は、
ナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンで
映画化もされたので、
ご存知の方も多いのでは。

このシリーズ、めっちゃ面白いです!

「ブーリン家の姉妹」では、
かのアン・ブーリンの妹、
メアリー・ブーリンの視点で物語が進みます。

属する家門の権勢のために、駒として王に仕え、
心を殺し、身を削られていく兄姉妹。

そして、ヘンリー8世って、
ただのワガママで女好きな暗君やん…

「愛憎の王冠」では、
迫害から逃れるためにカソリック教徒を装う、
隠れユダヤ人のハンナ・グリーンの視点で、
テューダー家の愛憎劇が描かれていく。

メアリーとエリザベスの姉妹の確執だけではなく、
ユダヤ人というアウトサイダーの視点で、
当時の宗教や宗派の諍い、
異教・異端の弾圧に対する恐怖心を書き出しているので、
かなり秀作でした。

他の作品も、好みはあるにせよ、
面白くて読み応えがあった。

薔薇戦争〜テューダー朝シリーズ、
現在、全15作発表されているみたい。

あと10作、読みたいので翻訳出版お願いします!

こちらのシリーズにご興味がある方は、
読まれる際は、出版順ではなく、
物語中の年代順に読むことをオススメ。

それにしても、この時代ってえらい早熟してますな…



続いて、浅田次郎の、
「中原の虹」
「マンチュリアン・リポート」

浅田氏の名著「蒼穹の昴」シリーズの続編。

初作で、村を出たきり行方知れずになっていた
李家の三男、李春雷が、本作の主人公。

貧しさゆえに、
「おのれひとり生きんがために、家族を捨てた」悔恨を抱えて、
命を捨てるように馬賊として生きる春雷が、
「俺の敵は、貧乏と飢渇だ」
と言う張作霖と出会ったところから、物語は始まる。

清朝末期から、中華民国へと移る混迷期が舞台。

今回も、春児と玲玲の兄妹に泣かされました…

マンチュリアン・リポートは、
うん、機関車トーマス…



司馬遼太郎の「項羽と劉邦」

ひさしぶりの司馬遼太郎節、
堪能しました。

物語を進める前に、
舞台の地理歴史、登場人物のバックボーンを、
丹念に読者に説明していく。
最初は説明くさいですが、
物語が進むにつれて、人物に肉薄していく書き方は、
やはり司馬先生ならでは。

覇王別姫の名シーン、
「虞や虞や 汝を奈何せん」
に至るまでを、
司馬先生の筆で読んでみたかったんですが、
件のシーンはあっさり終わって、やや味気なかった。
それより、項羽の死後のエピソードが、
グロくてドン引きしました。
人間の欲は恐ろしい。



今、読書中なのが、
北方謙三の「史記」
2巻まで読了。
匈奴と漢軍の騎馬での戦闘シーンは、
読んでて興奮しちゃいます。

全7巻、これからの展開が楽しみ。


以上です。

昔から本は大好きだったんですが、
何年か、いろいろあって
読めない時期がありました。

興味はあるので、
とりあえず買っといた「積ん読」本が、
いつの間にやら、大量に放置…

ここ数年、ようやく余裕が出てきたので、
読書を楽しめるようになりました照れ

とはいえ、夜寝る前に少しずつ読み進むペースなので、
月に1〜2冊しか読破できない。

今年も、読み終えるより新たに増えた
「積ん読」の方が多いありさまです。

もっとサクサク読み進めるようになりたい!

来年は、たくさん読めますように。


あと、昨年(2019年)読了した本も、
記しておきます。



瀬戸内寂聴の現代訳「源氏物語」

いやー、読みづらかった。

原文をなるべくそのまま現代語に
置きかえているので、
瀬戸内さんの訳のせいではなく、
原文の世界観に入りこむのが難ありだった。

とりあえず、光源氏がゲスい。

最高権力者である今上帝の最愛の息子であり、
文武に優れ、何をしても全ての人より秀でていて、
容姿は怪しいほどに美しい。

当然、モテまくる。
人当たりが良く、友人も多い。

しかしながら、
帝の寵愛をタテに、やりたい放題。

人妻を寝取るのは序の口で、
父親の最愛の妃に何度も夜這いをかけて孕ませるは、
幼女を拐かして年頃になったら手をつけるは。
(しかも、自分好みの女に育てあげるあたり、
ある種の男の願望を体現している)

人生の絶頂期に、
過去の悪行の報いを受けることになりますが、
腹に据えかね、親友の息子をいびり殺すありさま。
…他、いろいろ。

ただ、女グセが悪いなりに、
1度手をつけた女性が生活に困窮していると、
邸に引き取って面倒を見てあげるあたりは、
男として評価すべき点なのでしょうか?

青海波(紅葉賀)、絵合せ(絵合)、
船楽(胡蝶)、薫物合わせ(梅枝)、
などなど、平安貴族の優雅なシーンは、
想像していてときめきました。

また「雨夜の品定め(帚木)」は、
現代の男女にも通じる心情で、興味深い。

活字で読むのが面倒な人は、
大和和紀の「あさきゆめみし」を読もう!
漫画なのでわかりやすいです。



大トリは、
塩野七生の「ローマ人の物語」

昨年だけでシリーズ全巻を読破したのではなく、
文庫化された2002年から読み始め、
昨年ようやく読了したのであります。

黎明期、成長期、繁栄期、衰退期、滅亡。

それぞれの時代を、その時代に活躍した人物に焦点を当てて、描かれた物語。

ハンニバル戦記や、ユリウス・カエサルの巻では、ハラハラ興奮したな。

また、国が衰えていくのは、
国を支える人材が枯渇するからではなく、
政治が機能不全をおこしていき、
能力のある人材を生かしきれなくなるため、とのこと。

まさに「魚は、頭から腐る」

あと、衰退期を読んでいて、
現在の日本にも通じる箇所があり、気になりました。

そこに至る過程は違いますが、
富の格差が重税につながり、
経済力の低下により結婚できない人が増え、
出生率の低下につながり、人口減少につながる。

こうやって国力を失っていくんやな…

とはいえ、国は滅んでも、人々の営みは続いていく。

ローマ滅亡後の物語も書かれていて、
(もちろん積んでます。笑)
その後の歴史も気になりますが、
その前にルネサンス期のお話を読む予定です。


とりあえず、今年はここまで。
長々とお付き合い頂き、ありがとうございます。