神戸ニニンガ日誌(第2,054号)
○姫野カオルコ「彼女は頭が悪いから」読了。東大生が猥褻行為で捕まった事件を描く。
○「エリートたちのいびつな精神を描」き(猫・毎日新聞)、「性暴力で辱められた女性に男社会に迎合したい女からも批判が出」る。「どこまでが合意か。恋心と下心の違いとは。線引きのむずかしさが、小説にしかできないやり方で浮き彫りにな」る。(木村紅美・読売新聞)
○諸田玲子は「ふつふつと怒りがわいてきた」と書いた(朝日新聞)。
○偏見や差別は本人も自覚のない特性「内集団バイアス」で生じるという。東大生の親たちは最悪の内集団で、私には加害者よりも罪が深いように思えた。
○大久保明子の装丁も秀逸だ。見返しの粟立った濃い臙脂色の紙。スピン(紐)にも同じ色を使い、不気味だ。
○本紙の上部のみを化粧裁ちせず(天アンカット)に残し、人間の捨てきれないざらざらとした差別と偏見の心を表現しているように見える。
○諸田玲子でさえ、この事件を知ったとき「被害者への非難が頭をよぎった」という。
まだいまだ。