"THUNDER IN THE EAST"30周年記念盤が発表された際、

ベーシスト山下昌良師匠が本作"LOUDNESS"までのデモテープを秘蔵していたことが明かされて以来、この日が来るのをずっと待っていました。

 

今回の目玉は山下師匠のプレイを収めたデモ音源を収録したDisc-3ではなく、

現代のメタル回で引っ張りだこのエンジニア、ヤコブ・ハンセンによってリミックスされたDisc-1です。

 

ミックスダウンをやり直すことで、これほどまでに音が変わった例はクラウド・ナインの"Bastard"しか知りません。

それだけに、今回の音源を最初に聴いた時の最初の感想が以下のようになりました。

 

Disc-3の山下師匠秘蔵のデモ音源、細かいアレンジの違いはあれどかなり曲自体の完成度は高いです。

歌詞は仮という感じですが、"LOVE KILLS"に関しては正式音源との違いが判りませんでした。

(下記のブログによると、ドラムに関してはデモ音源をそのまま正式音源で使用しているとのことなので、少なくともドラムは同一です)

"HELL BITES"もかなり完成度が高いです。しかしデモの段階では"LOVE BITES"

(近年では同名のバンドがありますが、本曲とは無関係)だったとは思いませんでした。

 

ブックレットの記載と異なり、Disc-3の"LOVE KILLS"はベースを泰司が弾いているとのこと。

(ブックレットは交換対象ですが、特に交換する気はありません)

時期的にも正式音源との違いは他の曲より少ないでしょうね。

 

35周年記念ニコ生で山下師匠が語ったように、"EVERYONE LIES"にはスラップが収録されていません。

(実は「ほぼ自分が弾いたまま」と語る師匠に「"EVERYONE LIES"のスラップもデモの段階であったのか?」という質問をしたのは僕です)

 

今回のデモで一番驚いたのは、"FIRESTORM"の歌詞が英語だったことかもしれません。

本作はほぼ全ての曲が英語詩ですが、あえてこの曲と"HELL BITES"は日本語にしていると思っていたので、

率直に言えば意外でした。

元々"THUNDER IN THE EAST"に収録予定だったとはいえ、雅樹が新たにメロディと歌詞を考えたでしょうから、

最初から日本語詞だと思っていました。

 

 

We Rock Vol.91のタッカンのインタビューからは、タッカンはドラムに関してはかなりリクエストを出していたことがうかがえます。言い換えると今回のリミックスのモダンなメタル風のドラムサウンドは、タッカンのリクエストということになります。

改めて考えると、オリジナルの音は当時の流行(具体的にはパンテラ)に寄せたデジタル加工されたサウンドであったかという事の証左とも言えます。

 

当然タッカンのギターも、出音が変化しており、新録とまではいかなくともサウンドが相当な変貌を遂げていることは間違いありません。

"TWISTED"に至っては、中間部のインプロ風ギターソロがカットされており、オリジナル版から収録時間が大きく変化しています。

 

今は亡き沢田泰司・樋口宗孝のプレイがより強力に響いてくるミックスになったのです。

 

 

Disc-4のDVDも、今では廃盤となっている2作にメイキング映像を加えたもので、

今は亡き2人及び現在では表舞台から姿を消した山田雅樹の姿を拝める貴重な映像となっています。

 

当時ひぐっつぁんのローディを勤めていた村上"くんくん"真人のブログからは、

当時の様子が伝わってきます。