もう僕も29歳となり、そろそろ30の呼び声も聞こえてくる中年世代なわけで、そろそろ加齢臭の頃合かな?と秘かに期待しているわけなのですが、その反面、こんな30歳で良いのだろうか、と漠然と不安になる時があります。
僕が少年時代だった頃の30歳といったら完全無欠のオッサン・オバハンで、どっからどう見ても大人でした。普通に社会生活に溶け込み、いわゆる大人が作る世界と言うか、大人世代と言うか、そういった確固たるものを確立しているように見えました。早い話、30歳くらいの人が社会を動かしてると漠然と感じていた。
それがどうですか。いざ30間近になってみると社会を動かすどころか社会にすら溶け込めていない。早い話がクズですよ、クズ。少年のあの日、瞳に写った30歳に近づけるわけでもなく、ただただ漠然といたずらに歳をとってしまった自分に呆れるばかりです。
そんなダメな30間近の僕としましても、やはり大人ぶりたい一面というのがございまして、若者を見ては「最近の若い者は」と嘆く素敵な一面を覗かせています。この「最近の若い者は」と嘆く行為は古来より大人ぶった大人の特権として許されてきた部分があるのですが、この言葉を本気で口にするようになって一つだけ気づいたことがあります。
「最近の若い者は」と口にして嘆くオッサンほど若い者が羨ましい。ああ、認める。悔しいが認める。若さ故の無軌道が羨ましいし、その可能性が憎い。羨ましいが故に若い者がかわいいし、殺したいほどの憎くもある。なんとなく森光子が若いジャニーズを囲う気分が分からんでもない気持ちになってくる。コレを認めてしまうと年齢というどうしようもない部分で負けを認めたことになってしまって口惜しいのだけど、そうなのだから仕方がない。
もし、今僕が10歳若返って19歳とかピッチピチの青年だったら、そりゃもう無軌道だよ。すごい無茶して無軌道にオッパイ揉みまくる。ブスのでもなんでもいいからオッパイ揉みまくって、あげくに男でもデブでDカップくらいはありそうなら揉む。揉みしだく。それくらい無茶をするね。
けれどもね、もうそういうわけにはいかないじゃないですか。29歳ともなるとそれなりに責任も出てくるし何よりも社会的体裁がある。「19歳少年が路上で無差別にわいせつ行為!狂った果実!」よりも「29歳会社員、路上で無差別猥褻テロ!通り魔的に児童の胸部を揉みしだく」の方がダメっぽさが10ランクくらい上じゃないですか。けっこう救いようがないじゃないですか。それだけに救いようがある若者が羨ましいし、憎くもある。
先日のことでした。
僕は最近、近所にできたネットカフェにご執心で、暇さえあれば行ってエロコミックやらコボちゃんを熟読しているのですが、やはりネットカフェって今時のトレンドスポットらしく、若者が大挙して押し寄せる。すると自然と若者と接する機会が多くなるのですよね。
僕がヌシのごとく常駐しているスペースが、コミュニティスペースと呼ばれる個室ではないオープンスペースで、日夜ネットゲームに興じる人生オーラスみたいな人々に紛れて楽しんでるわけなのですが、このスペース、ガラス一枚隔ててすぐに受付というかフロントがあるんですよね。
当然ながら受付での客とのやり取りなんて筒抜けで、「本日のご利用時間は?」「24時間で。12時間パックをダブルで」という武者のようなやり取りとか聞けるのですが、客がいない時の「店長ムカつく」みたいな店員同士の陰口までシースルーで100%把握できてしまうんですよね。
で、しょっちゅう店員と客との受付でのやり取りや、その後の悪口大会なんかに聞き耳を立てているのですが、そこでも最近の若者はすげーなー、と驚く気持ちや羨む気持ちが生じてしまって仕方がないのです。
深夜も過ぎた頃、ひと時の静寂がネットカフェ内に蔓延するこの時間に、騒がしい二人組の女性客がやってきました。
「マジでー」
「赤だってー、マジでー」
とよく分からん会話をしながら受付にイン。片方は比較的キューティクルな女性で車エビだかエビちゃんだかみたいなファッションに身を包んでいました。特筆すべきはもう一方の女性、コイツがもう、見るからにナウマンゾウみたいで、なんで女性ってのはそこそこカワイイのとアレなのが強力タッグを組む傾向にあるんだ、と驚愕しながら見ておりました。
「当店は初めてでしょうか?」
「あ、はいー。はじめてですー」
「当店は会員制になっておりまして、入会していただく必要があります。本日は何か身分を証明できるものありますでしょうか?」
このネットカフェは最近できたものですから当然ながらほとんどの客が未入会。上記のようなやり取りが何度となく行われていたのですが、ここからがすごかった。
「あ、はい、あります。運転免許証でいいですよね?」
エビちゃんみたいな方は無難に免許証を出して会員証をゲット。しかしながら、ナウマンゾウのほうはそうはいかない。
「あれ、ない、ない。免許証忘れてきちゃった」
とかなんとか、パオーンと言わんばかりの勢いでカバンを漁って探すのですが見つからない。
「身分証がないと入会できませんので本日はご利用できないのですが・・・」
神妙に言う店員さん。ナウマンゾウもみるみる弱っていきます。
「いや、ちょっと待ってください。あるはずです・・・」
もうカバンの中をひっくり返して探してるんですよ。そんなに利用したいのか。
「あった!」
やっとこさ見つけたらしいナウマンゾウの身分証が、なんとパスポート。確かに最強の身分証ですが、ネットカフェでそれはない。どこに出国するんですかってなもんですよ。というか、なんでパスポートを持ち歩いてるんだ。
結局、ナウマンゾウはパスポートは現住所の記載がどうたらこうたらで入会を断られ、エビちゃんと一緒に失意のまま店を後にしたのですが、その後姿は戦争時に薬殺された動物園のゾウみたいにションボリとしてました。
身分証を求められてパスポートを平然と出しちゃうその若さが凄い。凄すぎて羨ましく感じてしまう。僕ならたとえ何かの間違いで持っていようとも恥ずかしくて出せないと思う。その若さ故の無軌道さが羨ましくて仕方がない。
そのネットカフェ受付ではこんなこともありました。またもや夜も深まった時間帯に亀田三兄弟からボクシングを奪い取った成れの果てみたいな坊主頭の若者が2名と、キャバクラ嬢みたいな女性が2名セットでご来店。みるからに乱交とか楽しんでそうな4人組でした。
またもや初めての来店だったらしく、身分証の提示を求める店員。これに対してキャバ嬢2名と亀田の片割れは身分証を提示。しかしながらもう片方の坊主頭が身分証がない。どうも身分証どころか、完全に手ぶらで財布すら持ってない様子。そんなフリーダムな状態でネットカフェに来ることが間違っている。金くらいもってこい。
「え?マジ?身分証いるの?うそやーん」
店員がここで嘘ついてもどうしようもないのですが、明らかに横暴な態度。その若さが羨ましい。
「どうすんのー、コウ君利用できないの?」
「マジ、大丈夫だって!」
と訳のわからない励まし合い。何を思ったのか亀田のヤロウ、唯一の所持品だった携帯電話を取り出してこう言ったのです。
「身分証はないけどー、携帯電話でどうっすか?」
なにが「どうっすか?」なのかわからない。その若さが羨ましい。本当に羨ましいのか疑問だが、たぶん羨ましい。
もしかして、携帯電話を見せて身分証の代わりするつもりなのか。どこをどうやったら携帯電話が身分証の代わりになるのか分からないのですが、周りのキャバ嬢も
「そうだよー、携帯あるし大丈夫だよー」
とのたまう始末。このフェラチオが!
亀田グループの中で携帯電話は身分証になるという意味不明な機運が高まってくる中、店員は頑として認めない。
「ですから、携帯電話だけではちょっと・・・未成年かどうかもわからないですし・・・条例で深夜に未成年を入れてはいけないことになってるんですよ」
順序だて、理論的に説明する店員さん。しかし亀田は引き下がらない。
「未成年じゃないですって!なんだったらこの携帯電話で母ちゃんに電話して聞いてみていいって!」
グイグイと携帯電話を店員に押し付ける始末。
「コウちゃんはハタチだよー!私とタメだもん!」
必死に主張するキャバ嬢。黙ってろ、このフェラチオが!
結局、あまりに言語が通じないのに根負けしたのか、なんと、携帯電話が身分証としてまかり通ってしまい、亀田は見事に入会を果たして入店。パスポートを出して断られたナウマンゾウが可哀想だ。かわいそうなゾウだ。パスポートの方が携帯電話よりいくらか身分証じゃないか。
大喜びで入店の喜びを噛み締める亀田とキャバ嬢。それを見ながら、やはり若さ故の無軌道は羨ましいと感じたのです。若いが故に無茶ができる、時にはその無茶が何かをゴリ押しし自分に有利働く事がある。僕のようなオッサンになると携帯電話で押し通すことなんてできず、そのままトボトボと帰宅するのが関の山だ。本当に若さとは羨ましい。
若さとはそれ自体が大きな財産です。失敗することも、何も知らないことも経験が浅いのだから当たり前。それを逆に武器にして少々の無茶をしてもいい、若さにはそれが許されるのです。
だから若い人に言いたい。僕のようなクズな29歳にならないためにも、是非とも何も恐れずにチャレンジして欲しい。その結果、失敗しようが人に迷惑かけようが、反省する必要はあるけど若さで片付けてしまえばいい。それができるだけの財産があるのだから。
その後、ネットカフェ内を徘徊していたら、個室ブース内からどう解釈しても艶っぽい声が漏れてきてました。何事かと個室ブースの方に行き、ブースを仕切っている板が低いので通りすがりにチラッと覗いてみたら、亀田とキャバ嬢が熱烈に絡み合ってました。何回も通って確認しましたが、どう見ても亀田がキャバ嬢の乳を揉んでました。
ネットカフェでそんな無茶をする亀田の若さが羨ましい。いや、若さとかどうでもよくて、乳を揉んでるのが羨ましい。僕も揉みたい。通り魔的に乳揉みたい。ナウマンゾウのでもいいから揉みたい。
そう思っていたらチンポビンラディンになってしまい、まだまだ俺も若いじゃねえか、と思いました。なんでもいいからこれからは無茶に乳を揉んで生きたい。30歳になっても揉んでいきたい。揉みたい。