ついに開演となったAKB48研究生公演。なんかAKB劇場って狭いし、意味わからんとこに柱が二本あって邪魔だし、とてもじゃないが劇場の体を成していないチープさで面食らったんですけど、いざ始まってみるとその熱気がすごい。
何の熱気かと言うと、決してクレイジーに舞い踊るオタどもの熱気ではなく、ステージの上で舞い踊る研究生の熱気がすごい。まだ年齢だってすごい若いのに、自分の中で決して譲れない思うところってのがあって、それのために一生懸命努力しているのが伝わってくる熱気があった。正直に言うと、研究生公演を心のどこかで舐めていた部分があったのだけど、完全に気押されていた。
そんなすごい彼女たちの純粋でピュアで真っ直ぐな姿を、会場後ろで立ち見状態で見ていた。いや、立ち見状態ですらなく、もうギュウギュウ詰めで、前後左右にオタがひしめき合った満員電車状態でみていた。本気で一歩も身動きできないレベルでギュウギュウ詰めになって公演をみていた。
たぶん感覚的に2時間くらいの公演だったと思うけど、その半分の1時間が過ぎた時、異変が起こった。いや異変と呼ぶにはあまりに恒例で、僕にとってありきたりな事象が巻き起こった。
「ウンコしたい」
どうにもこうにも、このパンパンに詰まった状態では身動きできずトイレに行けそうがない。むしろ、トイレのために外に出たらそのまま再入場は不可です、くらいのことは言われかねない。やべえ、ここでウンコしたくなったら困るな、って考え始めたら本当にウンコしたくなってしまった。
ウンコしたい、ウンコしたい、本気でウンコしたい。
ステージ上では「100メートルコンビニ」っていう名曲が演じられているんですけど、それすらも「100mウンコ」にしか聞こえないくらいウンコがしたい。かといって、彼女たちが頑張ってる姿をもっと見たいし。物凄い葛藤がグルグルと僕の頭の中を回っていたんです。
で、出した結論がウンコはいつだってできる。けれども彼女たちのこの輝きは今しか見ることができない。明日にはもう彼女たちは違う輝きを放っているだろう。ということでとにかくウンコを我慢することに。っていうか身動きできないから我慢することしかできないんですけど。
演目も進み、いよいよ最後の曲となりました。なんだか寂しい気持ちと、やっとウンコができるという気持ちが入り混じってカオスな状態になっていたのですが、泣いても笑っても最後の一曲です。いけるこれならまだウンコ耐えられる。我慢できる。
そしてついに最後の曲が終わりました。もう早くトイレにいって腸を引っ張り出してブラシで洗浄したい気持ちになるんですが、そこでとんでもないことが起こるのです。
アンコール
前述の親衛隊の人々の手によってアンコールの要求がコールされるのです。しかも今日は小林さんの誕生日と言うことでマリナコールで大合唱ですよ。確かにアンコールは凄く嬉しいんですけど、ウンコが出る。
でまあ、皆がばーっと出てきてアンコールが始まるんですけど、もうウンコのせいで意識が遠のいていてですね、何歌ってるんだか全然分からない。とにかくウンコがしたい。ウンコ。
で、このままここで漏らしても確実に出入り禁止にはなるとは思いますけど、出るもんはしかたないじゃないですか。っていうか、思いっきり出してやってオタどもが必死にトレーディングしている生写真で尻拭いてやるわガハハハとかやれる豪胆さがあれば良かったんですけど、もう少し中腰になって青い顔してました。
そしていよいよアンコールも最後の曲、これさえ耐えれば大丈夫、と少しウンコにも余裕がでてきました。なんとか悶絶し、隣のオタに寄りかかったり、尻に適度な刺激を与えたりしつつ誤魔化していたんです。そしてついに最後の曲が終わった。
「みなさん、それでは本当に最後にAKB48の新曲、桜の木になろう、を聴いてください」
もう1曲あった!死ぬ!ってところでついに僕の心がポッキリ折れてしまい、もうウンコ我慢できなくなってしまいました。でも別に漏らしたりとか、そんな僕34歳ですよ。ウンコ漏らすとかんなわけないじゃないですか。隣のオタどもにばれないようにこっそりとパンツの中に左手を入れてですね指で栓してやったんですわ。っていうかイメージ的にはかなり出口まで来ているヤツを指で押し返す感じです。
これですっかり楽になり、指がウンコまみれになりますけど、なんとか本当の最後の曲を乗り越えることができました。本当の本当に公演も終わり、劇場内が明るくなります。やっとウンコができると安堵していると、そこで館内放送ですよ。
「本日は、これよりハイタッチ会を開催します。そのままお待ちください」
どうも、出口でさきほど公演していた研究生たちがずらっと並んで立っているらしく、そこで出てくる客全員とハイタッチしていくという途方もなくファンサービス旺盛な感じで、喜ばしいんですけど、僕、指ウンコまみれですからね。そんなウンコまみれの指で彼女たちとハイタッチするわけにいかない。オナニーした手でアイドルと握手するって不埒な輩は結構いますけど、指にウンコ塗りたくってハイタッチしたヤツはいません。というか、MAXとかにだったらできますけど、ピュアで頑張ってる彼女たちにそんなことできない。
で、一瞬ハイタッチを諦めるんですけど、よく考えたらウンコがついてるのは左手で右手にはついてない、右手でハイタッチできるじゃん!と意気揚々と会場を出てみるとズラーっと左側に研究生の皆さんが整列してるんです。終わった。左手でしかハイタッチでできない。
無理やり右手でってのも変ですし、さすがにウンコがついた手ではやれないので、僕だけハイタッチせずに素通りしました。いや、嫌味で素通りしてるんじゃないんです、ウンコがついてるんで!って説明できたら良かったんですけど、そういうわけにもいかず。なんでこの人、ハイタッチしてくれないんだろうっていう寂しそうな表情の研究生たちが、僕の心を締め付けるのでした。
いつかきっと、彼女たちとハイタッチしたい。また来るぜ、と心に誓って。