スペースデブリ(Numeri日記より) | ヌメラーのヌメラーによるヌメラーの為のNumeri日記

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※私が書いてるのではありませんので悪しからず(^^)/

オッス!デブです!

いやあ清々しいね、本気で清々しい。なんかもう気分爽快とかそういったレベルのお話ではなく、「これ中国の山奥で取れた神秘の漢方薬なんだぜ」とか嘘8000ぶっこいて自分のウンコのカスをお嬢様女子大生に匂わせた時くらいのカタルシスがあるんですよ。

何がって、そりゃあ前回の日記でついに自分のことをデブだと認めたわけなんですけど、さすがに体重が30キロも増加し、会う人会う人に太りすぎだろと言われ、僕の職場のパソコン、顔認証でログインするようになってるんですけどあまりに太りすぎちゃって人相が変わっちゃってログインできなくなったりしたんですけど、それでもやっぱ心のどこかに認めたくない想いがあったんですね。

体重が30キロ増えたって言ってもあくまでも数字上のことで実際にはそう見た目は変わってないだろう。会った人が「太った」って言ってもそいつが目の錯覚に騙されているかやっすいシャブでもやってるか、顔認証だってウィンドウズのバグだって思うことにして頑なにデブであることを認めなかったんです。それこそ、デブじゃないもん、ポッチャリだもんってブヒブヒいうデブ女の気持ちがすごく分かるんですよ。

けれどね、そうやって嫌な現実から目を逸らしていたって何も変わらないんですよ。そこには何か自分がデブじゃないという勘違いをしたデブがいるだけで、認めなかったからと言って痩せるわけでもカワイイ女が言い寄ってくるわけでもないんです。

そして認めた。デブがデブを認めた。もう世界が違ったね。パッと世界が開けた。「俺、デブなんだ」なにか偉大なる存在に赦された気すらした。天空から光が差し込み、ラッパを持った天使たちが楽しそうに踊りながらデブを祝福してくれてるかのように感じた。僕はデブなんだ、やっとこのガイアに受けいられた気すらした。

デブを認めると色々と周りの環境も変わるもので、職場での振る舞いも、例えば僕は職場の女子社員に異常に嫌われてて、そのうち退職請求の署名活動とかされても何らおかしくないのだけど、デブって認める前は「今日は暑いね」とか話しかけても完全無視。それが認めた後ちょっと自虐を込めて「俺デブだからこの暑さ耐えられないよ」って話しかけたらどうでしょう。完全無視ですからね。デブを絡めないで無視されると嫌われてるからなんだろうなって落ち込むんですけど、デブを絡めて無視されるとちょっと自虐が行き過ぎちゃった、って状況判断ができますからね。認めるって素晴らしい!

とにかく、デブであることを認めると全てがうまくいくこと山の如し、デブなんでホントに山みたいなんですけどブヒヒ、そうやって認めるとですね、次の行動にも出やすくなるんですよ。

「健康!ダイエット教室!」

僕デブなんでボケーッと市民掲示板みたいなのを眺めていたんですけど、どうやらどっかのスポーツクラブの主催かなんかで市民を対象にダイエット教室なるものが開催されるみたいじゃないっすか。無料と謳ってますけど、どうせデブであることの危機感を散々煽ってスポーツクラブに入会させようって魂胆なんでしょう。デブは金になる、くらい思ってるんじゃないですか。デブはどうせ早死にするから金持ってても無駄だろ、みたいな想いがビンビンに伝わってくるんですよ。

こりゃあここに行くしかないな。気づくとデブはそう決意していました。市民掲示板の前でダラッダラに汗をかきながら、そう決意していました。そして妄想が広がります。

たぶん、僕はデブといっても入口程度のデブなはずですので、おそらくデブが大量に集まるダイエット教室の中ではスリムな部類に入るはずです。やはり魑魅魍魎の如くデブがひしめき合ってる中に僕が行くわけですから、他のデブは驚愕すると思うんです。

「ゲゲゲー!あんなスリムな奴でもダイエット教室に来るのか!」

「あんなスリムな奴に来られちゃ太刀打ちできねえよ」

「っていうか、あんなにスリムなのに来るなんて嫌味以外の何物でもない」

「ピザ食べたい」

こんな感じになって脂汗やら何やらラードっぽい感じになるに決まってる。デブどもが震え上がるに違いない。そこにデブの中ではスリムの部類に入る僕が颯爽と言うわけですよ。

「僕らは確かにデブだ。でも心にまで贅肉をつけてはいけない。一緒に頑張って痩せよう」

「ブヒヒ」(感動して言葉も出ないデブたち)

これですよ、これ。僕のようなややスリムがダイエット教室に行ってデブどもを牛耳る。僕にはもうこれしか残されていないのです。

早速、掲示板に書かれた内容を確認し、参加申し込みをします。なんでも男女別で日程が分かれているらしく、もちろん僕が指定された日時は男子の日。平日の夕方からのようでしたので、仕事が終わった後にデブ男どもに囲まれるのか、と正直身震いがしました。

いよいよ当日、仕事を終えるとブヒブヒと開催場所である市民なんとかセンターみたいな場所に行きます。僕デブなんでこの時点で汗ダラッダラになってるんですけど、とにかくデブとは言ってもスリムな部類のデブです、堂々たる態度で会場へと入っていきました。

するとまあ、いるわいるわ、若者からオッサンまでどうやったらこんなにデブが集まるんだよって感じでゴロゴロと歴戦の猛者みたいなデブが集ってるんですわ。映画なんかで子供が5人くらい集まると、大抵一人はデブなんですけど、ここは5人全員がデブ、意味わからんけどとにかくデブ。

ザッとロビーに入ってきた僕の姿にデブどもの視線が突き刺さります。視線も太かった。

「おい、なんだあいつ」

「確かにちょっとデブだけど、あれはスリムな方だろ」

「嫌味な奴、デルモ体型じゃん」

「ピザ食べたい」

こんな心の声が聞こえてくるようです。すまんね。でまあ、思いっきりかっこつけて、ロビーの隅っこで腕組みして開始時間を待ち、デキルやつみたいな自分を演出しておきました。デブですけど。

で、観察してると、どうも結構常連っぽいやつらが多い感じで、

「おや、お疲れ様です」

「相変わらずですなー」

「今日は暑い暑い」

みたいな会話が展開されているんですよ。ダイエット教室の常連という時点で、全く痩せられてなくて何かが大きく間違っている、そもそもこの教室って全く効果がないんじゃないかって気がするのですが、後にこの理由はわかります。

とにかく、受け付けを済ませ、いよいよ少し広めのスタジオみたいな場所に移動して開始となります。ワンフロアに大体10人ほどのデブでしょうか。床が抜けるんじゃないかとちょっと怖くなり、気持ち柱にしがみついていました。

すると、そこにレオタード姿の本気でモデル体型のお姉さん登場。すっげえ化粧濃かったけど美人でした。どうも、ちかくのスポーツジムみたいな場所のインストラクターっぽく、明らかに美人でデブを釣りに来てました。言っておきますが、こっちはデブが11人、1トン超えてますから。

で、この美人の登場にデブどもブヒブヒと大熱狂、僕もブヒブヒと大熱狂。こんな美人のレオタード姿が見れるなら何度でも来てもいい!とか思ってると、美人が自己紹介を始めます。

「今日は初めての人も何人かいるようなので自己紹介します!私はインストラクターです!結構厳しいので覚悟してください!趣味は音楽鑑賞とジョギング、あとガーデニングや漢方薬とかに興味あります」

とか、僕らのことをデブだと思って舐め腐ってどうでもいい自己紹介してやがりますが、けっこう口調的にサディズムの塊というかサダムフセインというか、なんかこう、デブを苛めるのに生きがいを感じてます!デブの生き血をすすって、デブの生き脂肪をすすって美貌を保ってます!みたいな雰囲気がムンムンに感じ取れました。

で、そのSっぽいインストラクターがおもむろに言うわけですよ。

「今から体脂肪率を測定します」

なるほど、痩せる前にまずは己を知れということか。なかなか理にかなってるじゃねえかって思うんですけど、係の者が持ってきた体重計がこれまた小さい。もっとこう、可憐なお嬢様が乗るんじゃねえのって感じの体重計。僕たちデブが乗ったらぶっ壊れそう。デブだと思ってバカにしやがって。

で、次々と測っていくんですけど、なんか、体脂肪率の高い順番に並べられていくんですよ。なるほどなるほど、普通、体脂肪率なんて恥ずかしくてあまり人には知られたくないものなんですけど、こうやって皆の前で大々的に公表され、おまけに体脂肪率順に並べられるという羞恥プレイ。この恥ずかしい気持ちこそが「痩せよう!」という気持ちに繋がるわけですな。多少問題ある感じがしますが、なかなか効果的な手法のような気がします。

でまあ、次々と並べられていくんですけど、やはりそこはデブの集い、体脂肪率20%後半がゴロゴロでてくるわけですよ。

「26.3%!」

「28.7%!」

「27.7%!」

男って筋肉多いはずですから、この辺の体脂肪率は確実にデブの部類です。そしてついに、僕が目をつけていた、最もデブっぽいオッサンの順番がやってきました。

「30.3%!」

ウオオーンというどよめきが聞こえました。いやデブしかいなかったのでブオオーンって感じだった。ついに驚きの30%越え、デブの大台に乗せる剛の者がでてきました。

やっぱどいつもこいつもデブだな、ここはいっちょデブの中でもスリムな部類の僕がかなり低い体脂肪率を叩き出してやってデブどもを震え上がらしてやる。まあ、震えると言ってもそれは脂肪だがな。プルプルとしてろ、ラードどもめ!自信満々に体重計に乗りました。

「33.5%!」

僕が、一番、デブ、でした。

いやいや、これ絶対におかしいですって。なんで体重計に足の裏しかつけてないのに全身の脂肪の量が測れるんですか。そんなわけないじゃないですか。絶対にランダムで数値出してますって。絶対おかしいですよ。こっちがデブだと思って20も30もかわんねーだろ、どっちもデブだって適当に体脂肪率出してますって。

っていうか、こやって皆の前で体脂肪率読み上げるっておかしくないですか。個人情報じゃないんですか。人権侵害じゃないんすか。デブには人権ないですか。僕一番デブですか。そうですか。ピザ食べたい。

心のどこかでこのデブどもめ、と見下してた連中の中で自分が一番デブだった事実に驚愕し、このクソデブどもが、何見てやがる!って憤りたい気持ちになりましたが、僕が一番デブなわけで。選ばれしデブなわけで。

その後、汗だくになってダイエット体操したりとか、痩せるための食事とか、どうしてもお腹がすいた時の対処法、などと色々教えてもらったのですが、あまりのショックにまったく覚えていませんでした。

ただ、教室が終わった後に、デブたちのボスみたいな人に誘われて皆でラーメンを食いに行ったのですが、みんな、すげえ勢いで替玉してて笑った。ラーメンの注文と同時に替え玉二つを注文する集団を初めて見た。こいつら痩せる気ないだろ。

なんでも彼らは別に痩せる気はサラサラなく、あのSっぽい美人インストラクター目当てで教室に通っている様子。なるほど、だから常連なわけか。

「痩せちまったら会えなくなるからな…」

そう言いながら替玉をすするボス格のデブを見て、いや金払ってスポーツジム行けば会えるだろ、このクソデブ、と思ったけど、それでも僕の方がデブという事実。

よし、僕もあのインストラクターに会うためにあの教室に通おう。漢方薬が趣味という彼女に珍しい漢方薬なんですよーって茶色いものを見せるために頑張ろう。デブでなおかつクズ、粗大ごみになってやるんだ。

「すいません、替玉!」

期待の新人ナンバーワンデブも替玉を注文した。