Macrowavecat現像室 -70ページ目

鹿取 狼 『博物誌抄』より

鹿取 狼(かとり ろう)の短詩集『博物誌抄』(2010-2011)より。

 (写真はイメージです。GOTH寄りの象徴表現あり。御注意を。

 

 

螺旋石 滅びし宇宙を語りけり

 

少女等に呼び覚まされし氷河蝶

 

アメジストの群晶 魔都を封じけり

 

古都

 

 

 

己が迷路に身を失ひし鸚鵡貝

 

水底に棲みて渇ける雷魚の眼

 

天河石に眠れる翼人 乳房有り

 

天河石

 

 

孔雀石 ヒースの嵐を孕みけり

 

砂漠都市 鉱物の薔薇を友とせり

 

残雪は屍(かばね)の如く歯牙持てり

 

桜木の記憶宿せし傀儡姫(くぐつひめ)

 

初恋が運命(さだめ)となりし菊人形

 

恋毎に顔付け替えしアマリリス

 

汚れたる膝下(ひざもと)に見し蛇苺

 

くちづけし汝(なれ)やつめたき紅玉髄

 

みずあげしオパアル色に惑ひけり

 

見よ 黒き光に応へし堕天石

 

白樺の肌に浮かびし聖母の目

 

2011年4月

碧空に白面の者舞居たり

 

尖塔の影長き午後の廃都かな

 

廃城

 

 

 

 

 

闇の香に情を交わせし物の気の裸身と見ゆる白梅の花

 

史学徒を嘔吐させしマロニエよ 黒衣の少女は春を胎めり

 

オスカー・ココシュカ没後30年
相離る音叉の如き縁なれば 汝が人形(ひとがた)を汝が身代わりとせむ

 

ラ・スペコラ
朝摘みの香草添へし器にも甘き蜜蝋の乙女の果肉

 

放課後の理科準備室に浮かびし脳神経標本の夢

 

理科室の閉ざされし棚 試薬瓶に産まれし塩の骸晶

 

 

 

 

Eridu Arcane "Embitterment"

 

 

癒やしが必要な方へ

Secret Garden "Prayer"