ノジュール、ビーチロック、地盤工学
ノージュールネタ第二弾。
2013年の3月に第一弾(ヒマラヤの「神の石」 )を書いたまま放ったらかしだった。
ノジュールに入っていたモロッコ産三葉虫。
Diacalymene ouzrequi, Morocco (Alnif) [Ordovician]
望来で見つけた空洞状巻貝化石が入っているノジュール。
一般に見られる石灰質ノジュールの成因をかいつまんで言うと、貧酸素の海底面下で生物が腐敗してできた重炭酸イオンと海水中のカルシウムイオンが反応してカルサイト(炭酸カルシウム)が析出し、これが土砂の粒子を結びつけて固化させる、ということらしい。
このような反応なら、それほど時間がかかるとは思われない。地質学的な時間尺度からすればほんの一瞬だろう。また、ノジュールが丸いのは、単純に拡散場の形を反映していると考えれば納得がいく。
さて、化石マニアだったかどうかは知らないが、土砂中で人為的に炭酸カルシウムを析出させて軟弱な地盤を改良することを思いついた人が居たようだ。最近、地盤工学の分野でその手の研究が盛んに行われるようになってきた。
その主流となっている方法(炭酸カルシウム法)では、カルシウムイオンを含む水溶液(塩化カルシウムなど)、尿素水溶液、尿素を分解するバクテリアを地盤に注入する。バクテリアは尿素を分解して炭酸イオンを生成し、これがカルシウムイオンと反応して、炭酸カルシウムを析出させる。
何となく化石マニアが思いつきそうなことに思えるが、意外にビーチコーマーだったかもしれない。
沖縄や九州、能登半島には、炭酸カルシウムの作用によって固まったビーチロックと呼ばれる砂礫岩が見られる砂浜がある。ビーチロックの成因としては、昔から有機的成因説と無機的成因説があり、ここのところ無機的成因説が主流だったようだが、最近では、上に書いた炭酸カルシウム法と同じようにバクテリアの働きでできると考える人もいるようだ。
と、ここまで調べてきて、以前石狩浜で見つけた謎の砂岩を思い出した。
(2011年4月9日撮影)
見たところ、まわりと同じ砂が固まったような感じだ。同じような物が、2008年2月24日の石狩ビーチコーマーズで見つかったという記録 がある。
これとの関係で気になったのが、この砂の塊。(2012年3月10日撮影)
明らかにこれは冬期に凍った砂の表面が溶けた跡だ。
海水が凍るとき、比較的純度の高い氷の結晶が、海水中に溶けている他の成分を追い出しながら成長する。その結果、残っている液体には海水の成分が濃縮し、これに加えて温度が下がることで、海水成分が析出する可能性も考えられる。もしかすると、この析出した成分が砂を固める働きを担っているのかもしれない。
ただ、謎の砂岩はこれと比べて遙かに強固で、依然として正体が分からなかった…。
で、たまたま炭酸カルシウム法の内容を調べていて、ふと、「これって、犬かキツネの(文字通り)尿の痕じゃね?」と思いついた!
動物の尿には尿素が豊富に含まれている。
また、尿素を分解するバクテリアが、北海道の泥炭から見つかっている。
そして、石狩浜には春先に泥炭の塊が流れ着くのだ。
石狩浜に漂着した泥炭(ピート)の塊。(2013年6月15日撮影)
役者は揃った。
問題は、春先の低い気温で活性を持つバクテリアがあるかどうかだが。逆にそれが見つかったら、凄いかも。
ちょっと調べてみようかな。
2013年の3月に第一弾(ヒマラヤの「神の石」 )を書いたまま放ったらかしだった。
ノジュールに入っていたモロッコ産三葉虫。
Diacalymene ouzrequi, Morocco (Alnif) [Ordovician]
望来で見つけた空洞状巻貝化石が入っているノジュール。
一般に見られる石灰質ノジュールの成因をかいつまんで言うと、貧酸素の海底面下で生物が腐敗してできた重炭酸イオンと海水中のカルシウムイオンが反応してカルサイト(炭酸カルシウム)が析出し、これが土砂の粒子を結びつけて固化させる、ということらしい。
このような反応なら、それほど時間がかかるとは思われない。地質学的な時間尺度からすればほんの一瞬だろう。また、ノジュールが丸いのは、単純に拡散場の形を反映していると考えれば納得がいく。
さて、化石マニアだったかどうかは知らないが、土砂中で人為的に炭酸カルシウムを析出させて軟弱な地盤を改良することを思いついた人が居たようだ。最近、地盤工学の分野でその手の研究が盛んに行われるようになってきた。
その主流となっている方法(炭酸カルシウム法)では、カルシウムイオンを含む水溶液(塩化カルシウムなど)、尿素水溶液、尿素を分解するバクテリアを地盤に注入する。バクテリアは尿素を分解して炭酸イオンを生成し、これがカルシウムイオンと反応して、炭酸カルシウムを析出させる。
何となく化石マニアが思いつきそうなことに思えるが、意外にビーチコーマーだったかもしれない。
沖縄や九州、能登半島には、炭酸カルシウムの作用によって固まったビーチロックと呼ばれる砂礫岩が見られる砂浜がある。ビーチロックの成因としては、昔から有機的成因説と無機的成因説があり、ここのところ無機的成因説が主流だったようだが、最近では、上に書いた炭酸カルシウム法と同じようにバクテリアの働きでできると考える人もいるようだ。
と、ここまで調べてきて、以前石狩浜で見つけた謎の砂岩を思い出した。
(2011年4月9日撮影)
見たところ、まわりと同じ砂が固まったような感じだ。同じような物が、2008年2月24日の石狩ビーチコーマーズで見つかったという記録 がある。
これとの関係で気になったのが、この砂の塊。(2012年3月10日撮影)
明らかにこれは冬期に凍った砂の表面が溶けた跡だ。
海水が凍るとき、比較的純度の高い氷の結晶が、海水中に溶けている他の成分を追い出しながら成長する。その結果、残っている液体には海水の成分が濃縮し、これに加えて温度が下がることで、海水成分が析出する可能性も考えられる。もしかすると、この析出した成分が砂を固める働きを担っているのかもしれない。
ただ、謎の砂岩はこれと比べて遙かに強固で、依然として正体が分からなかった…。
で、たまたま炭酸カルシウム法の内容を調べていて、ふと、「これって、犬かキツネの(文字通り)尿の痕じゃね?」と思いついた!
動物の尿には尿素が豊富に含まれている。
また、尿素を分解するバクテリアが、北海道の泥炭から見つかっている。
そして、石狩浜には春先に泥炭の塊が流れ着くのだ。
石狩浜に漂着した泥炭(ピート)の塊。(2013年6月15日撮影)
役者は揃った。
問題は、春先の低い気温で活性を持つバクテリアがあるかどうかだが。逆にそれが見つかったら、凄いかも。
ちょっと調べてみようかな。