標本整理 (その1続報) 珪化木ではなくて化石骨? | Macrowavecat現像室

標本整理 (その1続報) 珪化木ではなくて化石骨?

先のエントリーで珪化木とした標本について、「クジラなどの化石骨が、メノウに置換した」もののように見えるとのコメントを頂いた。厚田で採集した標本については、ちょっと思い当たる節があったので再度検討してみた。


一つ気になっていたのは、この標本の「底面」が木の化石にしては異常に滑らかな凹面になっていたことだ。
Macrowavecat現像室

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第二に、繊維状の組織が整列した部分の奥にそうでない部分があること。
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第三に、繊維状の部分に虫食いのような穴があること。
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全体の印象として虫食いの朽ちた木がメノウ化した物のように見えたので、気になりはしたものの、それほど重要視はしなかった。

しかし、珪化木という先入観から離れて、改めてこの標本を眺めてみると、これらの特徴がいずれも化石骨であることを示しているように思われる。

Webの画像検索で調べてみたところ、この標本に良く似た形をしたモササウルスの脊椎骨の化石が見つかった。その化石は脊椎骨の椎体らしく、椎間板に接する面が滑らかな凹面を呈していた。


ただし、厚田標本のサイズはその化石の2倍程もあり、また厚田の地層の年代を考えるとモササウルスであるとは考えにくい。いずれにしても、厚田標本の滑らかな凹面は関節の部分に対応している可能性がある。

ここで厚田標本が例えばクジラの化石骨の断片であるとすると、第二・第三の特徴はの構造から説明できそうだ。
一般に骨の内部は海綿質、外側は緻密質から構成されている。海綿質はほぼ等方的な多孔質であり、一方、緻密質は荷重を支える方向に整列伸長した方向性組織となっている。また、緻密質には血管を通すハヴァース管が分布している。これらの事は、厚田標本の特徴に良く対応している。

つまり、珪化木と仮定すると理解できなかった標本の特徴が、化石骨であると仮定することにより全て説明できてしまうことになる。

ということで、厚田標本については、「珪化木」という評価を改め、
「化石骨の可能性あり」とします。

それにしても、ヤスリツノガイの化石を目当てに古潭海岸に行ったつもりが間違えて厚田海岸に行ってしまい、そこで拾ったのがクジラの化石骨、なんてことが本当にあるんだろうか?というのが正直なところ。


さて次は、古潭で採集した標本。

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これには厚田標本の特徴は全く見あたらないので、同じ物ではないと思われる。

メノウ化した化石であることは間違いないと思うが、珪化木とする決定的な証拠が無い。ということで、
「珪化木の可能性あり」としておきます。



素人判断ではここまでが限界。折を見て専門家に実物を見てもらおうと思う。