唐墨山城跡 | 源行近のブログ

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山陰の戦国時代を郷土史レベルで研究しています。主に人物や城跡が中心です。

ひさびさの山城です。

からすみ山城は出雲市朝山町に所在する城で、朝山氏の姉山城の東に相対する山に築城されています。三角点は標高237.5メートル地点(地図の②)です。


ずいぶん前にも一度訪れていますが、今回は踏み切った調査に向かいました。当城の唐墨山とは古代において朝鮮から入ってきた侵入者を見張る山であったと考えています。その為か木々の間からは斐川町から稲佐浜までが一望できます。ちなみに仁多郡にも同じ読みの烏見山があります。

まず地図の③に向かう尾根から②より①に歩きます。③までは北側に土塁が見られかなり長いものです。ここには植林された木々があるので整地の盛り土の可能性もあります。



③の地点は広くとられた空間とその周囲に背丈以上の土塁が確認できます。

わずかに見える景色①


木々がなければ展望抜群でしょうか?

次に三角点②を目指します。

三角点のあるのは見張り場でしょうか?手前には竪堀を伴う堀切があります。

その上には郭があり、背後に土橋と竪堀があります。
ここを越えると山頂です。

次に①に向かいました。この①が主郭と考えられ、もっとも城らしい形です。始めて到達した場所です。
略測図


山頂には伯耆大山から分霊した大山智明大権現の婢があります。いつ頃まで奉られていたのでしょうか?


権現さんのある場所が一段高く、その下に一段の郭があります。
その東端に土塁があり、さらに下の郭とはかなりの高低差があります。下の郭の東端にも土塁が見られます。


権現さんから北に進み、少し下ると土橋があり、その先に小郭が確認できます。
当城は権現さんが奉られていたので参拝者がのぼる道がどこかにあったと思われますが、今は木々で閉ざされ見つかりません。

この城は詳細や伝承がなく不明ですが、今回の調査で少しは縄張りがわかりましたので、次回につなげる事ができそうです。こちらの山城も山上を整備すれば展望のきく山になることでしょう。地元の方々に期待したいところです。