「当たり前」ではないこと
日本語教師は、多文化に触れる楽しいお仕事です。昨日は、ベトナム人のRさんより連絡がありました。彼女は、私がボランティアで日本語指導をするようになって、数年してから教室に参加するようになりました。日本語教室に参加したときには、簡単な日本語がわかる程度でした。彼女は仕事のために来日しました。あれから20数年経ちましたが、彼女のお嬢さんは4月から大学生で、4月5日が入学式だそうです。合格の連絡があったときにはとても嬉しかったです。先日そのお嬢さんが入学する大学から色々な書類が届き、その中に保険関係の書類があったそうです。彼女は初めてのことなので、どの保険に加入したらよいのか、悩んでいるとのことでした。お譲さんは現在何も保険には加入していないとのこと、私の外国人の友人が、以前傷害保険に加入していてとても助かったことを聞いていたので、もし通学途中や大学校内での活動中に怪我等をした場合に補償してくれる、傷害保険に加入してはどうか?と提案しました。もちろん国民皆保険制度があるので、病気や事故にあった場合には、保険でカバーはできますが、全ての病気や怪我を補償するものではありません。万一の事故等に遭遇し、長期入院した場合には、食事代や差額ベッド代等がかかります。保険適用外の治療費や手術代も大きな負担となりますので、民間の保険にも加入していた方が安心だと思ったからです。年間の保険料は18,000円ぐらいだそうです。ベトナムでは日本のような皆保険制度はなく、重い病気にかかった場合には、多額の医療費を支払わなくてはならず、貧しい家庭の人たちは病院にかかることはできないと言っていました。日本では、子供の医療費に対する助成があるので、日本で子育てをするのは安心だと彼女は話していました。今まで「当たり前」だと思っていた日本の皆保険制度等の医療制度の有難さを改めて認識しました。彼女は、とても頑張り屋さんです。来日後は、ボランティアの日本語教室だけで、法廷通訳者にまでなった人です。仕事をしながら、自宅でどれほど頑張ってきたのかが想像できます。警察署での通訳はもちろんのこと、裁判での法廷通訳も務めているそうです。これまで多くの外国人に日本語の指導してきましたが、週1回のボランティアクラスで勉強された方で、彼女までのレベルに達した生徒さんをこれまで見たことはありません。出会ってから既に20年以上立ちますが、いつも頑張っている姿に頭が下がります。彼女から教えられることがたくさんあります。本当に尊敬できる素敵な女性です。