日本語教師は多文化に触れる楽しいお仕事ですが、日本人として色々考えさせれることもあります。
コロナ禍以前には、外国人と日本人の異文化交流会がよく行われていました。
毎年100人以上の外国人が参加するパーティに私の日本語教室の学習者さんも招待されていましたので、ボランティアスタッフと一緒に参加していました。
これは15年以上の前に経験したことです。
当時の日本語教室には30名ぐらいの外国人の学習者さんがいましたので、毎年、パーティが近づいて来ると授業の後に、このパーティのことを周知していました。
しかし、日本語教室を欠席された場合には、電話でパーティの連絡をすることもありました。
当時バングラディシュの留学生の学習者が10名ぐらい参加していましたので、バングラディシュの留学生が欠席された場合には、いつもその中の一人に電話をして、他の留学生へ伝えてもらっていました。
ある日、ボランティアスタッフの一人が、「Sさんと何かありましたか?」と私に聞きました。
私は特に心当たりがないので、どういうことなのか、そのスタッフに尋ねました。
彼は、Sさんが「私から嫌われている」と言っているとのこと。
全く心当たりがありません。
このことを聞いてとても心配になったので、Sさんの家へ行って、事の真相を聞くことにしました。
Sさんは、「パーティの連絡をいつもRさんから聞くので、どうして直接自分に電話をしてくれないかとのことでした。」
私が、Sさんのことが嫌いで電話をしてこなかったんだと思ったそうです。
私は「そんなことを思ったことは一度もないですよ。」「日本人は伝える人がたくさんいる場合には、その中の一人に伝えて、その人からまた、別の人に伝えることはよくしますよ」と言うと、バングラデシュではどんなに招待する人が多くても、必ず一人ひとりに電話をするとのこと。
「直接、電話をしてくれないので、僕は先生から嫌われている。」と思ったとのこと。
私は彼の心を傷つけてしまったことをその場ですぐにお詫びしました。
誤解が解けましたが、もしボランティアスタッフがこの件を話してくれていなかったら、彼はこのことをずっと心の中に抱えていたのか思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
真相がわかりホットしましたが、パーディの度に欠席している人全員に一人ひとり電話することは大変なので、リストを作り、今回はこの留学生にしたから、次回はこの留学生にするというように、順番で電話をすることにしました。
よく考えてみると、同じ人ばかりに電話をするのは、日本人でも良くないなぁと。彼の言うことも一理あるなと思いました。
最近では、SNSで同時に皆さんに発信することができるので、いい時代になったと思います。
文化が違うと、思わぬ誤解が生ずることがよくわかりましたし、ちょっとしたことで相手の心を傷つけてしまったことを反省しました。
今後はこのようなことがないように他国の文化や習慣をもっと勉強しなければと、思った日でした。