日本語教師は、多文化に触れるとても楽しいお仕事です。
日本では3月11日からラマダンが始まりました。ムスリム(イスラム教徒)は、1か月の間、断食を行います。ラマダンは日の出前から日没までの間、一切の飲食(水も含む)ばかりでなく、喫煙も禁止されています。
ラマダン月は、日の出前に起きて、朝食を取り、日没に夕食を取ります。その夕食のことをイフタールと言います。私は、留学生からイフタールによく招待されました。イフタールでは、まず、水分とナツメヤシを食べ、日没後のお祈りをします。その後、本格的な夕食となります。イフタールの食事の方が普段の食事より豪華だったように思います。
ムスリムの留学生にラマダンの目的を聞いたことがあります。彼は、「お金持ちも貧乏な人も等しく空腹や喉の渇きを経験することで、恵まれない人々を思いやる心を持つことです。」と答えました。
飽食である日本では、災害等で被災したときのような特別なことがない限り、空腹を経験するようなことはあまりないように思いますので、この考え方はとても大切だと思いました。
ムスリムと聞くとテロ等、悪いイメージを思い浮かべると思いますが、これまで私が出会ったムスリムの留学生たちは、みんな優しい人たちばかりでした。私の家が水害や台風の被害にあったときには、いち早く駆けつけてくれたのは、ムスリムのバングラディシュの留学生でした。もちろん日本人の友人たちにも大変助けられました。あの日の感謝の気持ちを今でも忘れたことはありません。
留学生たちはイベント等で、ちょっとした送り迎えをしたときにでも、必ず自宅に迎え入れて、食事を振舞ってくれました。日本では、昔と違って、なかなか友人を自宅に迎え入れることは少なくなってきましたが、モスリムだけではなく、ヒンディ教徒のインド人の人たちも等も同様でした。このような交流を通して、彼らがどんな暮らしをして、どんな考えを持っているのかが、段々理解できるようになりました。
文化や言葉や宗教や習慣等が違っても、その違いを認め、相手を理解していくと、とても親しくなります。今では、私の人生にはなくてはならない大切な存在になりました。みんな、いつもありがとう!