日本語教師は、多文化に触れるとても楽しいお仕事です。
先週の対面授業の中で、「~で<なに・いつ・どこ・だれ>が一番~いちばん~ですか。」「~が一番~です。」という文型を使った授業がありました。生徒さんは、カナダ、ベトナム、フィリピン出身の方です。文型や語彙の説明の後、生徒さんと日本人のボランティアさんがペア―になり、この文型を使って、会話の練習を行いました。
ボランティアさんがフィリピン人のJさんに、「フィリピンで何が一番有名ですか」と質問すると。「レチョン・バボイが一番有名です」と答えました。しかし、ボランティアのYさんは「レチョン・バボイ」が何なのかと、首をかしげていました。私はフィリピン旅行をしたときにその料理の名前を聞いたことがあったので、スマホで調べて、Jさんに「レチョン・バボイの写真(豚の丸焼き)」を見せました。
Jさんは「はい、そうです」と嬉しそうに答えました。「レチョン・バボイ」は子豚の内臓を取り除き香草を詰め、頭から尻尾にかけて棒で串刺しにし、火の上でゆっくり回しながら丸一日かけ焼く、お祝いの席での定番料理だそうです。Yさんは、「料理の名前だったんですね。知らなかったです。」と。「レチョン・バボイ」から会話が発展していき、JさんとYさんはフィリピン料理の話に花が咲いていました。
日本では「豚の丸焼き」という料理はないので、「豚の丸焼き」と聞くと「えっ」と少し驚きますが、日本でも日本食という素晴らしいの食文化があるように、各国特有の食文化があり、とても勉強になりました。
かなり前のことですが、バングラディシュ出身の留学生が、「日本人は生きている魚(活魚)を食べるのか?」と怪訝そうに私に質問してきたことがありましたが、日本の生活に慣れてくると、これまで生の魚を食べたことのなかったその留学生も、「美味しい、美味しいと」と言って刺身を食べるようになりました。
レチョン(lechon)画像はTravel withより出典