暗幕しかし、母が強くなった途端私が弱くなりました。この頃、視界の前に薄いスモークガラスがあるようだと思っていたのを覚えています。いつもいつも悲しくて、どんなに晴れた日でも薄黒い暗幕が目の前に垂れ下がっているのです。あんなに強気で前向きであった気持ちがすっかり萎え、出来るだけ考えずにすむよう、外出することが増えました。