こんにちは、M&A会計士の澤村です。



綿密な分析に基づくロジカルな疑いを持つために必要なことは何か?



それは、分析対象となる情報の収集です。


財務諸表だけでは、監査はできません。


キャッツ事件の会計士の先生が書かれた


法廷会計学vs粉飾決算/細野 祐二
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という本があり、同書では、公開資料のみで粉飾を指摘した云々という議論をしていますが、逆に言うとこの本は、正常収益力を分析するに足るだけの情報が開示されていたからこそできる分析であり、開示規則やそれに関する法定監査がなければ、このような分析はできないわけです。


本書は非常によくできた本ですが、あくまで、同書は分析結果報告(analyst report)もしくはpre due diligence reportであって、監査報告(audit report)ではありません。


auditを行うには、十分な心証を得るに必要なだけの情報を収集する必要があります。


情報があってこそ初めて、分析が可能であり、ロジカルな疑いを持てるわけです。


ロジカルな疑いがあれば、それを解消すべく、新たな情報を入手していくことを繰り返すということが、監査手続きなわけです。



では、情報収集の基礎はなんでしょう?