こんにちは、M&A会計士の澤村です。
ざっとなんですが、カネボウ事件の判決文をみたところ、いろいろ面白い論点があるのですが、判決文の大半は、
DCFでのマーケットリスクプレミアムが何%がよいか?
という、論点に当てられていましたね。
当事件での鑑定書の数字は、よく使われている水準より高めだとは思いますが、使うのが不合理とまでは言えない水準なんですよね。現場でも見ないこともない。
イボットソンの過去何年分をとればいいか、なんてのは正しいものがあるわけでもないし、過去の実績じゃなくて、将来見通しで判断すべきという考え方も、それはそれで合理性があるわけで、日本のマーケットが、今後それだけの利回りを期待できるのかというのも、合理的な反論ではあるのですが、その場合、ターミナルバリューの永久成長率とセットで考える必要があるのかなと思います。
どの数字を使うかは、まさに神学論争なわけであって、評価者によって差がある部分だから、通常、DCFの算定では、割引率や成長率を変化させた幅で出すわけです。
ただ、デットが重いときって、この幅によって株価って大きく変わっちゃうんですよね。
計算していないけど、本件だって、割引率とか成長率を振っちゃうと、相手方主張額~原告主張額まで幅が出たりするんじゃないでしょうか?
でも、そんな感じのレンジの鑑定書を出したりすると、裁判所は許してくれないんでしょうね?