こんにちは、M&A会計士の澤村です。


今回は、第三者機関による算定を受けたことを開示することの意味についてです。


これって、結局のところ、


プロにちゃんと計算させましたよ


という、意味しかないのかもしれません。



しかしながら、現状のプレスを一般投資家がみると、事業計画の実現可能性等も含めて、第三者機関が検討したうえで、公正な価格を評価した可能ような誤解を与えかねない状況にあると思います。


ですので、投資家の適切な判断に資するためには、現状の開示だけじゃなくて、


①財務DDの実行の有無、②法務DDの実行の有無、③ビジネスDDの実行の有無


あたりの開示も必要だとは思うわけです。


さらに、財務DDといっても、単に直近BSのみをチェックするというレベルのものから、過年度正常収益力を見る場合や、事業計画のレビューといったレベルまでケースバイケースであるわけで、そのあたりの深度もいるんじゃないでしょうか?


それに加えて


価格決定の前提となった事業計画の開示


ってのも必要なのではないでしょうか?


同業他社に企業秘密が漏れちゃうみたいな、批判があるようですが、別に個別戦術レベルの段階のものじゃなくて、全体の損益計画だけで、十分です。

別に、中期3ヶ年計画みたいなのは、いろんな会社で発表されていますが、それで企業秘密が漏れたという話は聞かないわけですから、なんら支障はないと思います。

というか、M&Aの決定に関する経営責任というものを明確にするためにも、事業計画自体の開示が必要だと思います。


で、


事業計画自体がいいかどうかは、株主が判断してください


というのが、あるべき姿だと思います。