こんにちは、M&A会計士の澤村です。

久々のM&A会計シリーズ。


前回まで、取得と判定されたM&Aでの取得原価の算定方法を解説しましたが、今回はその取得原価をどう「配分」するかについてです。

基本的に、企業結合会計というのは、合併などで取得した会社の資産負債を、買い手側の財務諸表にどのように受け入れるかという話であり、パーチェス法というのはそれを時価で受け入れ処理するという方法です。


ところが、合併比率だとか株式交換比率等で考慮する買われる側の価値というのは、実際のところ、個々の資産負債がいくらだから全体でいくらというよりも、資産負債全部含めた全体の価値でいくらというように決まります。


そのため、個々の資産負債の受け入れ処理をするためには、全体の取得原価を、個々の資産負債の価値に置き換えて考慮する必要があります。これを企業結合会計では、取得原価の「配分」といいます。

たとえば、100で取得した会社の資産負債の内訳が、土地のみで簿価が50、時価が100、その他資産負債がなく、税効果は考慮しないケースで考えてみましょう。

持分プーリング法だと簿価受け入れだから、受入仕訳は

土地50 / 純資産50

となりますが、

パーチェス法だと時価で受け入れることになりますから

土地100 / 純資産100

となります。

全体の価値100で、時価100の土地を取得したのですから、特にこれ以上の配分は不要です。

ところが、取得原価と、取得した対象の時価ベースでの純資産が等しいということはめったにありません。

では、同じ会社を120で取得したという場合は、どうするのでしょうか?

120のうち、100は土地として配分できますが、残り20が配分しきれません。

この配分しきれない部分をパーチェス法では、「のれん」として処理します。

つまり、仕訳としては

土地  100 / 純資産 120

のれん 20

となります。

結局のところ、連結と同じ処理になります。