子供の頃、髪の毛は親戚の美容院でカットするものでした。美容院の扉を開けて、ツンと感じるパーマ液の香りにいったいどんな髪型にされるのかとドキドキしたものです。髪型とは、おばちゃんのサジ加減で決められるもので、自分の意思はなかなか反映されなかったのです。「キョンキョンヘア」と頼んだのに、兵頭ゆきみたいなベリーショートにされた日の夜はさすがに枕を涙で濡らしました。当時はベリーショートなんてお洒落な呼び名もなかったのでただの短髪です。小泉今日子を知らないなら知らないと言ってほしかった!
そんなあたしのトラウマは、長く伸ばしていた髪の毛をバッサリと切られてついたあだ名「ウォーズマン」。ぱっつん前髪で丸いフォルムのおかっぱ頭はまさしく「ファイティングコンピューター」でした。男子にはやしたてられバカにされながらもその場を「ウォーズマンスマイル」でやり過ごしましたが、あたしだってマスクの内側で泣いていたのです。どこに孤独なロボ超人の名前を付けられて喜ぶ女児がおりましょう。
アワワ…。
そして先日、ファミリーマートから「ウォーズまん」という古傷に塩を塗り込むような中華まんを発売されたのです。キン肉マンという主人公を差し置いての、商品化! それもキン肉マン=牛丼、ラーメンマン=中華という分かりやすい具でなく、ウォーズマンなのに「ブラックカレー」という難解さ。なぜ、残虐超人「カレクック」を差し置いてのカレーなのでしょう。ウォーズマンはソビエト連邦出身なので、ビーフストロガノフやボルシチが中身でよかったのでは。
とにかく、発売日の11月5日にダッシュでファミマに向かいました。息を切らして飛び込んだランチを求めるサラリーマンでにぎわう店内で…おもいっきり売れ残っていました。なぜだ! 前回の「はちゅねミクまん」よりは声に出して注文しやすいのに。油断すると普通に「ウォーズマン」と発音してしまいそうになるからかしら。
とにかく、無事ご購入。過去の自分と決別するためにも、まずは「覆面はぎデスマッチ」です。彼のコンプレックスという素顔を観客の目前に晒してやりましょう。ウォーズまんのすばらしさは、マスクのはぎとりやすさです。きれいにマスク部分がはずせます。そして・・・機械的な醜い素顔が現れると思いきや、ホカホカと湯気が立ち上る美味しそうなブラックカレーが登場しました。そのスパイシーな香りに過去の辛い思いでも霞みそうになります。恐る恐る一口ほおばると、うまい!
うまいでんなぁ、お母さん。
すっきりとした辛さがこれからの寒い季節にぴったりだと思います。これからはウォーズマンを愛することができあそうです。ありがとう、ウォーズマン。ありがとう、ゆでたまご。






