私は半年以上前に「舞台裏」について、おそらく見た人にとって「何が言いたいのかわからない」、「なぜ当たり前のことをわざわざ書くのか」と感じさせる記事を書いた。何が言いたかったかと言うとエンターテイナーは客に対して美しいものしか見せず、それ以外の醜い部分を徹底的に隠してしまうのが原則というようなことを言いたかったのだ。
しかし、なぜそのようなことを記事にしたかったのかというと日本のアニメ業界がその原則を破っているのではないかと感じたからだ。というのも、現在放送中のアニメ番組のほとんどがラジオや動画サイトなどでそれらのアニメのキャラクターを演じた声優たちにそのアニメについての説明や感想を面白おかしく語らせたり、担当したキャラクターのコスプレをさせゲームしたりと別に作品と関係ないことをさせたりしていることを知ったからだ。
そういうことが行われていることを知った直後はそんなものなのかとただ単に事実を確認しただけだった。ところが時が経つにつれて違和感が増大していった。それは「声優は制作者側で裏方ではないのだろうか」、「キャラクターに「声」を吹き込み作品を完成させ同じ制作者側の存在ではないだろうか」と。
実際は「声優」というものは「舞台裏」から「表舞台」の方へといつの間にかそうなってるらしい。例えば、武道館でコンサートを行ったりしている人たちが数名だがいるらしい。ただ、アニメ作品の「声」を吹き込む作業をするということは飽くまでも制作者側、つまり舞台裏の存在であることには変わりはないと私は思う。
1つにキャラクターを作りに設定にしろ作画にしろかなり手間をとる。私は実際にプロの漫画家の創作作業を何度か見たことがあるが、一枚のイラストにかなりの時間をかけて丁寧に人物や背景など描いていた。動画の場合だと気が遠くなるような作業量になることは素人でもわかる。アニメ制作者からすると色々な工程を経て作り上げた作品であり商品である。そして最後に、色々な事情があるのだろうが、声優たちに動画サイトで何かしらやらせる。「このキャラクターは私が担当しました」と「舞台裏」を見せている。キャラクターの設定とか作画の労力を台無しにする行為としか私には思えない。私の感覚からすると夢の国でネズミの着ぐるみを堂々と客の前で脱ぐ行為と同じである。
ただ、私が時代遅れなだけで世代の違う人たちはアニメを観た後、当然のように動画サイトでお気に入りのキャラクターの声の人が楽しそうにしているところをみるのが多数派なのかもなと思うのだが知るよしもない。