映画『ノルウェイの森』 | 『もの想い』macoto

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ノルウェイの森 (2010年)



映画ストーリー


高校時代に唯一の親友と呼べるキズキ(高良健吾)を


自殺で失ったワタナベ(松山ケンイチ)と


キズキの幼馴染みで恋人だった直子(菊地凛子)は


お互いに大切だったキズキという存在を失って


心に傷を負った共通の二人だった。


ワタナベは誰も知っている人間のいないところで


新しい生活を始めるために東京の大学に通い


学生寮で心の空白を埋めるように本を読み漁る。


そんな本の余白のような空っぽな毎日を送るなか


偶然にも直子と再会したワタナベは、


大切な存在を失くした痛みを持つ直子と


お互いが惹かれていき、直子の二十歳の誕生日に


二人は結ばれた。


ところが、ワタナベが触れたキズキとのことで


直子の喪失感は深くなっていき心を病んでしまい


ワタナベの前から突然、姿を消してしまった…。


直子は京都にある療養所にて治療を続けるが、


手紙でワタナベに落ち着くまでは会えないと告げた。


ワタナベは大学で同じ講義を受けていた緑(水原希子)


と出会い直子とは対照的な緑とよく会うようになり、


ある日、緑の自宅での食事に招かれて


二人は自然と唇が吸い寄せられるようにキスをした。


その後、直子からの手紙でワタナベは京都へ訪れ


直子から「話さなければならないこと」を聞いて…。





カチンコ感想


正直、小説ノルウェイの森の情報量が多くて


あの細やかな描写は描き切れていないのは事実。


映画という約2時間という制限のなかで


どこまであの世界を表現できるかというのは


もちろん制作する際には大きな葛藤があったのだと思う。


小説を読んでいれば映画のストーリーの隙間に


様々なバックボーンがあって心情を汲むことはできるが


なにも知らないでいきなり映画を観た人にとっては


少し説得力に欠ける映画なのかもしれないと感じました。


それぞれのキャラクターがなぜ相手に惹かれたのか


なぜ心につながりができたのかという関係性が


もう少し表現されていれば関係を持つ場面でも


入り込めて感情を揺らすことができたのかなぁ…。




ただ映像的には世界観は出ていたと思うし、


わりと小説の描写を忠実に再現できていたと思います。


松山ケンイチと菊地凛子とあとレイコ役の人は


すごく作品に対する理解が深く


フィーリングがマッチしていたように感じました。




作品のエンドロールでビリヤード指導:小原満


という名前を見て、小・中学校の同級生が載ってたので


ちょっとびっくりしてテンションが上がりました(笑)


彼もがんばっているんだなぁ…と勇気づけられました。




愛する人を失うと人は悲しみという感情に


押し潰されてしまいそうになるけれど


その悲しみを乗り越えられる人とそうでない人


そこに大きな差はないのでしょう。


自分が生きて愛する人を忘れないでいること


それが愛する人を唯一失わない方法だと


気付いた人は少しは救われるのかもしれません。



macotomacoto




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