ヒグラシの鳴く声とヒコウキの飛ぶ音 | 『もの想い』macoto

『もの想い』macoto

詩人・エッセイストmacotoの作品を綴っています。
オリジナル作品の著作権はmacotoにあり、無断で他媒体などに掲載・転載・使用などは禁じております。
Copyright© macoto All Rights Reserved. since2009.02.02.



カナカナカナカナカナカナ…




少し寂しげに鳴り響くヒグラシの声


まるで君のSOSのように思えた




都会の雑踏で


『助けて』 と叫んでも


誰ひとり手を差し伸べない




そんな無関心な世の中では


自分の存在が希薄に思えて


他人を思いやる気持ちすら


見えなくなってしまうのだろうか




カナカナカナカナカナカナ…




必死に 『私はここに居るよ』 と


絞るような叫びをあげても


その鳴き声を掻き消すように


ゴォーーーーーーっと


轟くヒコウキの飛ぶ音が


君を透明人間のように


見えなくしてしまう




それでも僕は


君の伸ばしたその手を


掴んで離さないよ




無関心とは反対の世界に


ふたりで手を繋いで行こうよ








Copyright macoto All Rights Reserved.