カナカナカナカナカナカナ…
少し寂しげに鳴り響くヒグラシの声
まるで君のSOSのように思えた
都会の雑踏で
『助けて』 と叫んでも
誰ひとり手を差し伸べない
そんな無関心な世の中では
自分の存在が希薄に思えて
他人を思いやる気持ちすら
見えなくなってしまうのだろうか
カナカナカナカナカナカナ…
必死に 『私はここに居るよ』 と
絞るような叫びをあげても
その鳴き声を掻き消すように
ゴォーーーーーーっと
轟くヒコウキの飛ぶ音が
君を透明人間のように
見えなくしてしまう
それでも僕は
君の伸ばしたその手を
掴んで離さないよ
無関心とは反対の世界に
ふたりで手を繋いで行こうよ
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