トパーズ |  へんくつマッキーの日向ぼっこ

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 偏屈オヤジが映画・小説・マンガ等について、
 独断と偏見に満ちた戯言を綴っていきます。
 暇つぶしになれば幸いです。

 

 KGB副長官のクセノフがアメリカに亡命した。彼はフランス政府にトパーズと呼ばれるソ連に通じた組織の存在を証言する。フランスの諜報部員デベロウは、クセノフの隠れ場所を探るように命令を受け、友人のアメリカ諜報部員のマイクに接触する。一方、マイクとしてもクセノフから、ソ連が何かをキューバに持ち込むとの情報を得ており、革命軍のパラが所持する交渉文書を調査する必要があった。そのためにはデベロウの協力が必要である。文書を見るにはパラの秘書のユリバを買収しなければならないが、ユリバはアメリカ嫌い。アメリカ人の自分では接触できない。そこでフランス人のデベロウの協力が必要なのだ。

 

 場所はニューヨーク。デベロウは仲間の花屋を使いユリバを買収し、交渉文書の写真を手に入れた。逃げる花屋から小型カメラを受け取る時、ぶつかった振りをして道に倒れるデベロウ。その時、花屋を追っていたパラの部下のヘルナンデスに助け起こされる。

 

 キューバに持ち込まれるのは核ミサイル。キューバ危機である。かねてからキューバで諜報活動を行っていたデベロウは、キューバに飛ぶ。またキューバには地下組織のリーダーであり彼の愛人でもあるファニタがいる。

 

 ファニタの家に行くとパラもいた。パラは今は亡き革命戦士の妻であるファニタに気があるようだ。パラは明日のカストロの演説会の準備で去っていく。デベロウは、ガイガー計測器や遠隔操作カメラなどをファニタの組織に渡して、ミサイルの運搬を撮影するように頼む。ファニタは部下のメンドーサ夫婦にカメラを渡した。

 

 ビリエル港が見える高台からカメラでミサイルを撮影するメンドーサ夫婦。だが見張りの兵隊に見つかってしまい拘束される。しかし、カメラを橋の欄干の中に隠すことに成功。後で仲間が回収し、証拠のフィルムはファニタに渡る。

 

 カストロの演説会で後ろに控えていたヘルナンデスがデベロウの存在に気が付いた。ニューヨークで花屋を追っていた時、助け起こした男に違いない。報告を聞いたパラは、ファニタの所へ行く。そしてデベロウに明日朝、キューバを去るように命令する。

 

 翌朝、出発の準備をするデベロウにファニタの弟がフィルムを隠したカミソリの替え刃を渡す。またファニタも飛行機で読むようにと彼女の手帳を渡した。そのこ頃、革命軍の基地ではパラがメンドーサ夫婦を拷問し、ファニタが組織の長であることを聞きだしていた。

 

 ファニタの家に急行したパラの部隊は、カミソリの刃を発見し、空港の検査係に電話を入れる。飛行機に乗る前にデベロウを拘束するのだ。地下組織の長であるファニタも拷問を受けることになるだろう。そのためパラはこの場で射殺。彼女を辱めないための、この男なりの愛情であった。一方、空港で検査を受けたデベロウから何も発見できない。ようやく飛行機に乗ったデベロウは、もはやファニタが無事であることはない、と悟っていた。彼女から渡された手帳を開いたデベロウは、手帳の表紙にフィルムが隠してあることに気がついた。

 

 デベロウは勝手にキューバに行ったことで、諮問会に呼び出され本国に召還されることになった。帰るまでの間、マイクがクセノフと引き合わせる。クセノフは、フランスに報告した情報はトパーズを通じてソ連に筒抜けになることを教える。クセノフがコンタクトしていたトパーズの窓口は、ジャルエ。デベロウも知っている男だ。

 

 フランスに戻ったデベロウは、友人を集めて諮問会でどう答えるか相談する。例のジャネルも出席していいる。トパーズの名前を出してジャルエの反応を試してみるが、ジャルエはクセノフは1年前に死んでいるおり亡命したのは逆スパイだ、と言い出す。 だがこれは苦し紛れの発言でしかなかった。

 

 トパーズに追及の手が伸びてきた。焦ったジャルエはトパーズのボスのジャックに相談に行く。ジャックは客があるからと、ジャルエを追い返すが、入れ替わりに来た客とはデベロウの妻のニコールであった。

 

 デベロウは記者の娘婿にジャルエの取材に行かせ、クセノフ死亡説の矛盾を指摘させる。追い詰められたジャルエは、トパーズに応援を呼んだ。しかし、やってきた二人組は邪魔となったジャルエを始末しに来た殺し屋であった。
 
 娘婿からの電話でデベロウが駆け付けると、既にジャルエは殺されていた。逃げ出してきた娘婿から殺し屋同士で伝えていた電話番号を聞くことができた。デベロウと共にその番号を聞いたニコールは青ざめる。デベロウ夫婦の友人であるジャックの番号であった。
 
 
 
 アメリカとフランスの会議の席、ジャックは一人席を外される。トパーズのボスであることがバレたのだ。覚悟を決めたジャックは自らケリをつける。
 
 知らずに見たらヒッチコックの作品だとは分からないだろう。よってファンからも不評を浴びる始末。なぜキューバ空港での検査の様子を映さなかったのか。ラストももっとサスペンスを盛り上げる演出もできたであろう。ヒッチコックが何を見せたかったのか、疑問が残る作品。
☆☆・・・人生の1ページ、これも経験