虎の穴の本部。
一人の男がブラック、ビッグ、キングの写真の前で試合結果の報告を待っている。
そこに届いたのはブラック、ビッグの死亡と大門が重傷を負ったという報告であった。
頼みの綱は、残る一人に託された。
ビッグの怪力、ブラックのスピード、そして虎の穴の反則を兼ね備えたキング・タイガーだ。
もしキングまで破れた場合、自分が出ていくしかないだろう。
病院に運びこまれた大門は、内臓に折れた肋骨が刺さっている。
重症の大門を前に、タイガーは無事を祈るしかなかった。
キングとの試合を明日に控えた直人は、ちびっこハウスに寄った。
そこでは健太がキング有利の試合予想の新聞記事に憤っている。
直人は、確かにキングは強敵だが、だからこそタイガーは全力を出すはずだ、と勇気づけた。
おやつを食べながら大門を見舞いに行こうと誘い合う子供達。
心優しく育っている子供たちのためにも、直人はキングとの試合に勝たなければと決意を新たにする。
試合前、拳太郎を大門の病院まで届けたタイガーは、拳太郎にひとこと言い残して会場に向かった。
もし自分が今日の試合で死んだら、このマスクを被ってくれ。
タイガーは死を覚悟していた。
リングに現れたキング・タイガー。
あまりにも強すぎて幻となったレスラーである。
ルール無用、時間無制限のデスマッチが始まった。
タイガーをいきなりリング外に放り投げる怪力ぶり。
更にリングに戻ったダイガーに、波状攻撃を仕掛ける。
タイガーはなんとか攻撃をかわし、一進一退の攻防が続く。
その頃、病院の大門も戦っていた。
拳太郎の見守る中、直人の名を呼びながら鎮痛剤を受けている。
キングの攻撃は、次第にエスカレートしてきた。
リングサイドでの机の凶器攻撃、目つぶしと容赦がない。
だがタイガーも黙ってはいない。
アイアンクローを受けながらもキングの顔面にチョップを振り降ろす。
二人の血潮で真っ赤に染まるリング。
もはや互いの血糊でまともに歩くこともできないほどだ。
それでも二人のタイガーは戦い続ける。
病院では大門が息を引き取った。
リング上ではウルトラ・タイガー・ブルーカーを逃れたキングが血糊で滑ってリングから転落。
折れた机の刃先に背中から突き刺さり、動きを止めた。
これで虎の穴が滅びたわけではない、
3人のタイガーよりも強いレスラーがまだいるのだ、と言い残して・・・。
☆☆☆☆☆・・・必見!!