赤き死の仮面。
タイガーを血祭りに上げることだけを目的とするレスラー。
必殺技を失ったまま戦っても、待っているのは死だ。
だが死を恐れてリングを捨てることはできない。
直人が頼りにするのは虎の穴の特訓。
そして、覆面リーグ戦での正々堂々の戦い。
迷いながらもタイガーは、赤き死の仮面と対決することを決意する。
そんなタイガーに大門はフェアな試合にこだわるな、と忠告する。
ウルトラ・タイガー・ドロップが破れた今、タイガーの頼るべきは虎の穴仕込みの反則技しかない。
直人は死を予感しながら大門に別れを告げる。
久しぶりにちびっこハウスを訪れた直人は、庭で水浴びをする子供たちを海水浴に連れて行くことにする。
海岸ではしゃぐ子供たち。
だが健太一人は浮かない顔だ。
強敵・赤き死の仮面の登場に、心中穏やかではない。
それは、直人も一緒であった。
子供たちの前では明るく振舞うが、一人になると死の恐怖が顔を覆う。
その様子をみたルリ子は、直人は死を覚悟して子供たちに会いに来たと悟る。
そしてついにルリ子は、直人にリングで死なないでくれ、と頼む。
やはりルリ子は直人がタイガーであることを見抜いていた。
言葉を失った直人は、その場を立ち去るしかなかった。
練習場に現れたタイガーを見て、馬場はタイガーが死を覚悟していることを知る。
スパーリングの相手の猪木から卍固めを掛けられも耐え抜くタイガー。
その凄まじいファイトには日本プロレスの面々も目をむくほど。
今のタイガーには、ファイトしか必殺技がないのだった。
赤き死の仮面。
エドガー・アラン・ポーの短編小説「赤死病の仮面」が元ネタか。
疫病が入り込まない城砦の奥に避難し、饗宴に耽るも、やがて死の病は不気味な仮面をまとい王たちを死に導いていく。
タイガーも、死に導かれていくのだろうか?
☆☆☆・・・損はない