今、思い出しながらこの旅行記を書いているのですが、西安~開封は、中国で初めて家内と一緒に (もちろん、案内をお願いした中国語の先生も一緒ですが) 遠方まで出かけた所ですので、とても忘れがたいです。
 
実は私たちが結婚したのは40年前の197324()でした。それ以来、遠出は、ギリシャとエジプトに出かけたくらいでした。娘の結婚式で、ハワイには出かけましたが、普通のご夫婦よりは、旅行が少ないだろうと思います。
 
私は、英語やドイツ語の通じるところであれば、どこへでもいけます。心臓が強いですからね。でもここ中国では、英語は殆ど通じません。ですから、すごく不安がある一方、ワクワクして冒険している気がするのです。
 
私たちにとって、助けてくれる中国語の先生とともにではありますが、旅行に出かけ、異文化と濃密に接触したこの旅は、格別でした。
 
開封の街の中でも、移動しながら、珍しいものを見たり、たとえば
 食べられるホオズキ (http://blogs.yahoo.co.jp/macky_iwa/26285297.html  もう五年前に紹介済みではありますが)
ドアも境も無いお尻丸出しの大便器のトイレ、
などなど、初めての体験が多い旅でした。
 
さて今日五日目は、夜の飛行機で上海に戻るのですが、飛行場は鄭州なので、まずそこへ戻ります。
 
ところが交通事情に安全を見込んで早めに移動したので、時間があまり、先生の提案で鄭州の河南博物院に行くことになりました。
 
まあ、言ってみれば時間調整ですが、どうしてどうして、この博物院もなかなかのものでした
建物は1927年に建てられて、中国の中では、比較的早い時期に開設された博物館です。敷地は10万平米、収蔵品は13万件をこえ、黄河流域の古代文明から、開封・洛陽あたりの歴史を物語る出土品の数々がそろっています。
 
 河南博物院の見学者が並んで道路へあふれています。
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 列が進んで見えてきた河南博物院
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 河南博物院 参観券
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 青銅器
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 紀元前3世紀の斬新なデザインの陶器 アクロバットは大昔から中国のお家芸だったのだ----雑技団のもと?
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清代磁器 デザインが洒落ているとはおもいませんか?
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宋代の画家 張択端の絵「清明上河図」をモデルに製作したミニチュ
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青銅の細工物
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亀甲羅 宗教用品
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          甲骨文字
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 甲骨文字解説
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 博物院の象徴的な銅像(いわれは不明)
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科学が好きな私として、びっくりしたくらい興味深かったのは1900年くらい前に、つまり132年に、洛陽の科学者・天文学者の張衡という人が、地動儀という地震感知装置を作っていたことを知ったことです。
 
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これは、現物ではなく、復元された模型が展示されていました。世界で最初に作られた発明ということです。
 
 
何故そのようなものを製作したかというと、史料「汉书·五行志」によると、92年から125年の33年間の間に、大規模な地震が26回も起き、時には広大な地域が被害にあい、地割れ、山崩れ、黄河・他の河川の氾濫、家屋の倒壊を起こしたということです。
 
張衡は、地震がどの地方で起きたかを速やかに知るために地動儀を発明しました。
 
原理は、写真の樽の様な地動儀の中にバランスを保っている装置を作り、振動があると樽の外側に貼り付けられている龍の口から球が落ちて、下にあるカエルの口に入り、地震の発生を知ることができる。
 
龍は8匹回りにいるので、どの龍の球が落ちたかで、地震の発生元の方向を知ることができるというものです。
 
今から1900年近くも前に、こんな地震計を製作して、全国の地震実態を把握しようとした人がいた中国の底深さを思い知りました。
 
私は、四川省辺りではそれなりの頻度で大地震が起きているのは知っていました。しかし上海では、まったくといっていいほどありませんので、以前記事( http://blogs.yahoo.co.jp/macky_iwa/36842498.html )にした、実話に基づいた1976年の中国大地震の映画「唐山大地震(上海より遠い北方) を知ったときは驚きました。
 
旅行をして、少しずつですが、中国に関する知識が増えました。(と言うか、今までこの隣の大国のことを知らなさ過ぎたと言うべきかもしれません。)
 
さて、もうひとつ、すごく気にいった展示品を見つけました。
 
以下の写真の作品です。高さは10-15cmくらいの小さな彫刻ですが、表情の豊かなこと。すばらしい芸術作品と思います。
 
 石の彫刻像1
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          石の彫刻像2
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         石の彫刻像3
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          石の彫刻像4
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このようにたっぷり楽しんだ西安地域五日間の旅、鄭州の飛行場から、上海虹橋空港に帰りました。
 
          鄭州空港内
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周先生は、この五日間を無事切り盛りできたことで、大きな自信になりましたでしょうが、空港待合室で、疲れもどっと出たようです。
 
          つかれた先生、ご苦労様でした
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        飛行機からの夜景は、なんとも言えずきれい
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読者の皆様、21話に分けて綴ったこの旅行記、途中筆も止まったときがありましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
 
次の旅行記、シドニーにして気分を変えるか、中国の旅行にするか、思案中であります。
 
近日公開! 請う、ご期待。