後捕理合
様々な考え方が有るのは承知のうえでの提言
大東流合気柔術には後から攻撃される形も稽古に有ります。
受け手の攻撃は、立ち襟、両肩、両袖、両肘、両手首、片手首締片手首捕、片羽捕片手首捕、抱締、両手抱、羽交締、突き(突刺形で有り、背中を殴るとか、拳銃を突き付けるのとは本来違います!)等々が代表的な形です。
往々にして有段者レベルでも受け力を入れずに攻撃したり、どちらかに例えば前方のみや後方のみの明らか過ぎる方向への攻撃が多見されます、現実の攻撃と言う事からかけ離れ過ぎた攻撃手法となっています。技によれば明らかに引っ張った形での稽古をしましょう、逆にあきらかに押している形での稽古をして、夫々の理合を深め研究する意図の形も有ります。
後からの攻撃も、押す、もしくは引く形での稽古は有り得ます。しかし古武道的な身体作りを兼ね備えた稽古の場合は、まず相手を静止させて、前にも逃さない、後ろに押してくる事もし難い、受け手が相手を取り押さえた形からを、筆者は推奨しています。
形の大まかな手順と段取りを覚える事で技が出来たや、理合を会得したと大きな勘違いをしない様にしましょう。直ぐに実戦だの直ぐの護身の売り文句とは無縁と考えましょう、また直ぐに次の段階一ヶ条が終れば二ヶ条の稽古に入りたがったり、基礎を疎かにすると理合は会得出来ません。蛇足ですが筆者は一ヶ条と二ヶ条に段階の差は有りませんあくまでも審査試験の為の稽古前の形の知識程度の差です、二ヶ条から五ヶ条でも深みの無い手順だけのやり方は門外漢でも可能です、逆に一ヶ条でも超初心者の手順と段取りだけをなぞるやり方から関節技急所をふまえた初級初伝的な手法から関節技に柔らかさや力の流れを工夫した中伝的な手法も有り、合気を会得して全ての技に合気を取入れた奥伝、秘伝的な手法も有ります。また、上級者の中には自身では合気を理解出来ず形稽古の中で合気を所々に使いこなし合気柔術を奥伝レベルで技につかわれている者も存在します。これからも形の手順に余り重きを置くと本質から遠ざかる事に成るでしょう。
あらためて形稽古で理合い習得したければ受け手には前提条件を設けないと駄目です、攻撃意欲を含めたもので、ただしそこには動きの変化を交えたり、他の攻撃要素を拡大し過ぎては行けません。形の手順はおおよそが伝わって居ると考えて行うべきでしょう。また、先輩方からの伝えては大事ですが必ずしもそれは本質を全て教えてくれて居るとは限りません、
初学者には嘘は教えていませんが、多くは形の形からのみを教える事が多く、長年継続する者に徐々に伝授したり、少しのコツを入れると途端に数段上の基準に成れる基礎のみを指導している事が有ります。稽古生のレベルで伝える事の詳細を比較すると同門でも差が出たりするものです。武道は先達から技は盗むもので有り、現代的教育方法のような懇切丁寧詳細説明はされません、知恵が有り読み解く力が有ればより高度な技術を会得すれば良かったのです。
基礎は捕手を静止させる形から、押す場合、引く場合の形は別けて稽古すべき、先達からの形の手順はおおよそで、そこに手や足の動きは少しの時間差等は考察して稽古すべき、違う手を入れての乱取り的な稽古は戒める事。
理合の研究はあくまでも元々は互いに剣を持った形、若しくは捕手は小太刀で対処か素手にて対処。元々の理合をどの時代迄遡るかにより論議も差が有りますが筆者は江戸時代の互いに剣を持った辺りで想定しています、何故ならこの辺りの服装で無いと合気は使い難いのです。想定される剣での攻撃形態から行い、現代格闘技の様に互いに素手で相手は一人の前提にとらわれないことが理合いの理解を深めると思われます。
後ろからの攻撃も片襟を掴むのは反対の手で小太刀や短刀を構えて、切りつけようとするのが時代背景からは素直な考えと思います。しっかりと襟を掴むのであって、つまむ様な持ち方では全く理合いの習得には近づかないでしょう。同様に肩、肩口の着物、袖、肘、手首、等も相手を制する事を想定して受けが持てば、そこから対処する体術の動きは、剣の構えや剣の体転換、体裁きを工夫する必要があります。下手な踊りやダンスの様に単純に大きく動きまわる愚はあり得ない事になります。
そもそもが後からの攻撃なのでそれを察知する訓練が必要です、しかしながら、現代に置いて無条件に後からの攻撃を察知するには困難を要する為に、稽古においては、エイ!等の掛け声をかけてから攻撃を開始すべきでしょう!人は徐々にこの気配を察知出来る様になり、つかまれた後からでも優位に立回る能力が磨かれていきます。受け手はまず掛け声をかけてからつかむと言う、地味では有りますがこれを繰り返す事により察知能力が地味に養われます。
次に大事なのは姿勢で剣を構えた形が基本で、これは全ての技に共通です。技により最初の構えに差異を持たすのは誤った現代格闘技か他国の格闘技からの流用でしょう、古武道では有り得ない話です。先ずはこの姿勢を保てる体つくりを行うのが必要です。ただしこの姿勢が正しいかの確認は軽く前や後ろ左右から押したりして体制が崩れないかの確認をします、これも相手の技量年齢に合わせて行うべきで、相手に対してまず人としての尊敬の念を持ちながら行えば自ずと力具合は想像できます、逆に言えばたとえ相手が先生と呼ばれる人が相手でも全く力を出さないとか、無用な程力加減をするのは誤りで師弟礼にも劣る行いです!
前後左右に軽く揺さぶられても耐えて堪えることから、技の手順練習は開始されるべきです。ただし、互いの練習生のレベルに合わせて形稽古を全く行わないのは正しく有りません。初級者は初級者、有段者は有段者、中級者(当会規定では二段から三段でしょう)、高段者(当会の規定では四段以上でしょう)は高段者、に合わせましょう!
次に行うは正しい足捌きで、後技に特に大事なのは相手にいち早く対面する、相手を見る事の出来る状態になる事です。足捌きに肝要なのは足は基本すり足だと考えればおおよそ想像が付きます。その向き合った時点でも剣を振れる姿勢が良いと考えます。どこかに圧力や攻めが有りますがそれでも自身の体制が崩れず複数の敵対者が存在すると思えば形は見えてきます。
臍下丹田に力を蓄え(決して腹筋をしめるのでも無く、殴られた時に耐えられる筋肉の鎧をまとう必要も有りません)、例えば下半身には田圃畑を耕す様な鍛えは必要ですがウェイトトレーニングだけの大腿筋等は不要で、シッカリ鍛えた下半身で大地を踏みしめて、無用な力を抜き切り背筋を伸ばす事です。決して下半身も力む事も無く、必要最低限の足指の力は使いましょう、ただし足指で地面をつかむは初級者で中級者以上には悪手。
これ以上の細い手順は、それぞれの知る段取でも構わないが、受けの忖度無しの状況に近付けて、理合の会得に近づけましょう。