落車 | 現役自転車ロード選手 平林昌樹の自転車日記

現役自転車ロード選手 平林昌樹の自転車日記

国内Jプロツアー、アジア国際レースを中心に、自転車ロードレース活動をしています。
選手の視点から、ロードレースの面白さをお伝えできればと思います。

世界のトップレースでも落車は起こる。
良く言われる、ライダーのスキル不足、、
も、確かにあるけど、ロードレースを走るには、落車はある程度覚悟しておかなければ
ならない。


とはいっても、近年、落車の量がとても多くなった。
先日の群馬では、何度救急車をみたことか。。
ロードレースは、落車がメインではなく、試合がメインにならなくてはいけない。

落車になる原因は
ライダーのスキル不足。
メカのメンテナンス不足。
環境。

殆どの原因は、この3点。

1、ライダーのスキル。
最近は、Jプロツアーの選手でも、特に下のカテゴリーから上がってきた選手に
多いのがスキル不足。
真っすぐ走れない。
他の選手のラインに侵入する。
横の動きをする。
集団走行。

特に走行時に気になったのは
群馬のコースだとUターンした後、集団が一列棒状で延びる場所で
Uターン地点では、二十、三十で曲がるけど、そのあとは、1列になるわけだが
手で合図しても、無理に入れなかったり。
あるチームがペースメイクしている集団は、何処にいても一緒、
1人前に入るか入らないかなんて、勝負に全く関係ない場所だが
そんな場所で、譲り合いが出来ない選手は流れに乗れない。
(勝負がかかっている時の位置取りは別だが)

集団内にいる時は、車で例えるなら、ニュートラル(N)
勝負かける時は、ギヤーを入れて加速して集団を飛び出す。

どうでも良い位置で、割り込みをしない。

気持ちが余裕がないから、そういった走りになるのではないだろうか。

それと、基本、前の選手に車輪をかぶさない。
かぶすからハスって転ぶ。


直の向かい風だったら、真後ろに付く。
横風だったら、風上から風下へ。風下いっぱいの位置からは
その後ろへ。

逆方向へ避けない。
など、暗黙のルールがわかっていれば、
ハスって転ぶことも減るだろう。

レース中、らしくないので、なかなか声をだすことも
しないのだが、あまりにも酷いので、群馬は声を出してしまった。。


最近は、走り方のセミナーやら、ポジションのフィッテングなど
色々あるけど、実際は、自分で経験してスキルを磨くしかないし
ある程度の基本のポジションだっしは出来たとしても
レース強度だとまたポジションも変わるもの。

『事件は現場で起きている』
ではないけど、経験が大事。

ベルマーレに所属してた時や、タイ合宿では、練習で
上手くローテーション出来てなかったり、走り方い対して
指摘しあったりしたもの。
自分が思っている走りと、傍から見た走りではズレがあることが多い。

でも、そうやって、スキルを磨いたり、修正したりしていく。

クラブチームだと、ホビーで楽しく乗っている選手が多いので
指摘するのも、されるのもって感じになるのかもしれないが
それは違うと思うし、チームでスキルアップをしていくべきだと思う。


2、自転車の整備不良による落車。
これは、本当にあってはならない。

3、環境。
そもそも、あの細い群馬のコースで、155名を一斉に走らすのも
どうかと思う。

1チーム8人より、もっと少なくして、
6人、15チーム 90人。
とか
5人、20チーム 100人
くらいで良いんじゃないかな。

とかとか、色々考えてしまう。
意味のない落車は避けたいし、ちゃんとレースがしたい。

サーキットコースだからまだ良いものの、
公道レースで、これだけ落車事故が起これば、開催も難しくなるはず。

野球も、ホームクロスプレーで、走者の進路をふさいではならないなど
新たなルールが出来た。
昔は、走者とキャッチャーの体当たりで点を取るか防ぐかの攻防が激しかったけど
選手の怪我が多く、新しいルールが出来た。

自転車ロードレースも、これだけ落車が多ければ
同じことの繰り返しにならないよう、何か対策をしなければならない。

ロードレース走りたいけど、怪我はしたくないなぁ~、