3月1日。田原本駅で下車して、あべたや酒店まで歩きます。
前回訪問したのは、記憶が正しければ2011年。日置桜(山根酒造場)でひと冬蔵仕事を終えてから、出来たての鍛造生酛強力無濾過生原酒(当時でも超限定品で、今では伝説のお酒)を持参して、店主の村井さんに味見してもらったような・・・。
2008年~2009年の2年間、和歌山の蔵の営業でお世話になったり、飲み手として花巴の会(お店で開催)にもお燗番で参加したりと、今の店舗へ移転されて間がない頃に何度も伺いました。
この日も村井さんと、この後に伺う新奈さんのことや、今の私の勤め先(種麹会社)について1時間弱お話させていただきました。
店内のお酒のラインナップも魅力的で、流行り?の銘柄から熱燗向きの銘柄まで色々と勉強させてもらいました。
今は息子さんが主に業務を引き継がれていると聞き、ホッとしました。
帰り際に、カウンター前にあった酒粕(風の森)と、冷蔵庫にあった車坂(かつて営業担当していた銘柄)の生原酒を購入してお店を出ました。
その後、予約していた新奈さんへ、17時ちょうどに伺いました。
この日は20時まで席が空いていると事前に情報をいただいていたので、2日前に予約をお願いしました。
いつもと同じ、おばんざいおまかせコースから。
ポテサラは、身欠き鰊を甘辛く煮たのをほぐして混ぜてあり、魚風味たっぷりでお酒がすすみます。
最初のお酒は、遊穂(石川)山おろし純米吟醸を熱燗で。
震災の影響から回復されたのでしょうか・・・まだまだ心配です。
切り干し大根煮は、柔らかくて優しい味と食感です。
ホタルイカとわけぎのぬた。春を感じる食材が嬉しい。
大好きな熟成酒へとシフト。肥前蔵心(佐賀)生酛純米 H28BYなので7年熟成ですが、古酒感ほとんどなくて飲みやすい燗酒です。
白和え。りんごとさつまいもが入っていて、緑色はわさび菜でした。
どちらかと言えばスイーツ的な味は、箸休めにちょうど良い。
蕪蒸し。上には金柑甘煮と小さな椎茸が。食べすすめると、菊芋と鰤が入っていて、自動的に味変を楽しめました。
不老泉(滋賀)山廃純米吟醸原酒 山田錦を。
不老泉の中でもかなり優等生な味わいだったので、自分にとってはやや物足りなかったかも。
オイルサーディンのキッシュと、ロールキャベツ。どちらも味が濃すぎず、お酒に寄り添ってくれました。
キッシュの甘さとオイルサーディンの塩味が良いバランスです。
龍勢(広島)生酛純米酒 備前雄町 2017BY。
今期から岡田杜氏(10年以上前、天穏の杜氏の頃からの知り合い)になって、ますます期待してます。
おばんざいメニューがひと通り出されたので、追加でハムカツをお願いしましたが、出来上がりを待つ間に出された、五目豆。
これが抜群に美味しくて、お酒との相性もバッチリでした。
ハムカツに合うかな?と選んだのは、悦凱陣(香川)純米無濾過生原酒 花巻亀の尾 H29BY。
6年ものの生熟成酒ですが、お店では常温で保管されています。でもまったく酒質が落ちることはなく、むしろ旨味が凝縮されている感じ。
少し加水してお燗つけられてましたが、私にはまだ濃い味だったので、自分で適当に杯で加水して味わいました。
ハムカツができた頃には、20時過ぎてましたが、20時以降も席に余裕ができたとのことで、更に1時間ゆっくりさせてもらいました。
揚げたてハムカツ、予想通り悦凱陣のお燗と融合する旨さでした。
〆のお酒は、大好きな辨天娘(鳥取)純米玉栄 R2BY。
3~4年熟成させて飲み頃な辨天娘は、熱燗でしみじみ旨い。
毎回そうですが、新奈さんでは隣り合わせた初対面の方々と楽しくお話させてもらって、自分が知らない世界をほんの少し知ることができて嬉しくなります。
何も言わずにお燗が飲めて、お酒に寄り添う料理を色々と味わえて、新たなご縁もつながる、今の自分にとって最高に楽しいお店。
次は16日のお酒の会に参加予定なので、半月後がまた楽しみです。